キム・スヒョンやイ・ミンホは最近、中華圏で最も人気のある「韓流男神」だ。彼らはそれぞれ、年明け放送の「星から来たあなた」や昨年末放送の「相続者ら」の放送後、張東健(チャン・ドンゴン)やソン・スンホンなどの先輩の韓流男神を上回る人気を獲得し、次世代韓流スターに跳躍している。1990年代末から始まった中国韓流で、「韓流男神」は、月日の経つことによって変わってきているが、共通点もある。中国で、韓流男神は、「高富帥」スタイルといわれている。 高富帥とは、背が高く、金持ちで、二枚目だという意味の新造語。
しかし、中国の高富帥スタイルが、日本でも通じているわけではない。韓国版「花より男子」は、中国や日本でともに人気を集めたが、日本では、イ・ミンホよりは、キム・ヒョンジュンの人気がさらに高い。張東健やウォン・ビンなどの欧米的二枚目スタイルは、日本では、鞖勇俊(べ・ヨンジュン)やチャン・グンソクの人気にははるかに及ばない。逆の場合も同様だ。キム・ヒョンジュンへの中国での反応は、イ・ミンホには及ばない。
韓流の専門家らは、日本や中国での韓流ファンの違いによって、地域別に「韓流プリンス」も違うと説明している。高麗(コリョ)大学・民族文官研究院のオ・インギュ教授は、「日本の韓流は、1970、80年代の『バブル時期』に海外旅行に楽しみ、今は欧米文化に飽きている中高年の女性らがリードしている」とし、「彼女らは、韓国ドラマのメランコリーな情緒を好み、男優の清純さ、少年性に熱狂している」と分析した。
一方、中国では、男性性と欧米化されたイメージがより浮き彫りになっている。オ教授は、「中国の韓流ファンらは、欧米のトレンディーな文化を追い求める若者層が多い。彼らは、韓国の俳優から東洋のスーパーマンのようなイメージを求めている」と説明した。(ホソ)大学・中国語中国学科の喬春教授も同様に、「鞖勇俊がドラマ『ホテリア』で、冷たくて都会的役を演じたときは、中国でも人気があったが、日本とは違って、『冬のソナタ』についての反応は芳しくなかった」とし、「中国では、韓国俳優の優しくて繊細な魅力よりは、カリスマや男らしさがよりアピールしている」と伝えた。
このような趣向は、ドラマの役柄を巡る好みだけでなく、両国で人気を集めている俳優の外観からも見つけることができる。一般的に、中国で人気を集めている俳優は、目つきが鋭く、目鼻立ちがはっきりしていて、欧米的骨格を持っているなら、日本で人気の俳優は、印象が強くなく、笑う時、目じりが下がる「犬型」の外観が多い。日本共同通信・ソウル支社のイ・スヒャン取材チーム長は、「日本の俳優の中には、欧米型外見の男性美を持っている人たちが多い。一方、韓流スターは、主に東洋的ラインを持っており、日本の俳優とは差別化される」と話した。氏はまた、「韓国俳優の格好良くて強いイメージよりは、『かわいい』空気をより好んでいる」と付け加えた。
韓流のターゲット国が拡大したことを受け、芸能事務所各社も同様に、役者のイメージの多角化を図っている。多様な正確の役柄を演じ、演技の幅を広めていることもその理由だ。最近は、国籍や人種の違いを超越できるファンタジー的キャラクターへの好みが高まっている。イ・ミンホ所蔵事務所のスターハウスエンターテインメントのキム・ミンジ広報チーム長は、「ドラマの役柄が、役者のイメージに影響を及ぼしているだけに、海外まで考慮し、役柄を選んでいる。役者の固有な魅力は保ちながら、地域的違いによる拒否感を減らすのがカギだ」と説明した。