スマートフォンやタブレットPCの特許をめぐって熾烈な訴訟戦をしている三星(サムスン)電子とアップルが、最近、並んで抗告を取り下げて注目される。
15日、情報技術(IT)業界とドイツの知的財産権専門ブログの「フォスパテント」によると、三星電子は12日(当地時間)、米連邦抗訴裁判所に国際貿易委員会(ITC)判定に対する抗告を取り下げ、続けて、13日、アップルも同じ判定への抗告を取り下げた。
両社は、アップルが三星電子を相手取って提起した6件の特許侵害技術の中で2件を侵害したというITCの判定と、これを受け、一部商品に対し輸入禁止決定を下したことに対する抗告を取り下げた。
具体的に三星電子の侵害が認められた特許は、いわゆる「スティーブ・ジョブス特許」とも呼ばれたヒューリスティックとイヤホンでプラグ内のマイクを認識する機能などだ。ヒューリスティックは画面を正確にタッチしなくても、使用情報を利用して手の動きが反映されるようにする技術だ。ITCが輸入禁止命令を出した三星電子の商品は、「ギャラクシーS」「ギャラクシーS2」「ギャラクシーネクサス」「ギャラクシータブ」などだ。
今度、ITC判定の抗告取り下げによって、両社が約3年間行ってきた「特許戦争」が終了する契機になるのではないかという見通しが出ている。
特に、先月、アップルが敵対的な関係だったグーグルと和解モードへ転じるなど、アップルが三星電子との関係改善にも乗り出せるという分析もある。当時、アップルはグーグルと共に、「直接的に存在する全ての訴訟を取り下げることで合意した」という内容の共同声明書を発表した。
反面、一部では両社の今度のITC判定に対する抗告取り下げが特別な意味を持たないという解釈もある。当該する輸入禁止商品はいずれも旧型であるため、市場で事実上、中心地位を失っている上、三星電子がアップルが特許攻勢をした技術ではなく、他の技術を利用した商品を供給している。結局、ITC抗告そのものが既に実質的な意味が無くなった紛争という見方だ。
IT業界の関係者は、「三星電子とアップルの両社が共に、市場で影響力のない商品をめぐって行われるITC判定に対する抗告が、これ以上意味のある活動ではないことを認識したため、抗告を取り下げた可能性が高い」と話した。
しかし、IT業界ではモバイル市場の両大企業の三星電子とアップルが、対立関係の解消に内部的に関心を持っているはずという予想が広がっている。業界の関係者は、「両社が問題解決のための動きを見せる可能性がある」と話した。