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[オピニオン]W杯の時だけ一つになる大韓民国

[オピニオン]W杯の時だけ一つになる大韓民国

Posted June. 19, 2014 04:12,   

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金妍兒(キム・ヨナ)も、朴泰桓(パク・テファン)も、李承鎏(イ・スンヨプ)も享受できなかった。五輪や世界選手権大会に出場するほかの種目の選手には絵に描いた餅だ。全国民が一声で「大〜韓民国(テーハンミングク)」を叫ぶ、街頭応援の感動。もっぱらワールドカップ(W杯)に出場したサッカーの国家代表チームだけが満喫できる胸が一杯になる特恵だ。ボール一つに笑って泣いて嘆息し、知らない人とも気兼ねせずに一つになって応援できるのは、W杯であるから可能だ。

◆昨日の朝、光化門(クァンファムン)広場は、韓国とロシアの試合を大型スクリーンで応援する赤色の人で一杯だった。前日の夜から早めに場所を取って、徹夜した熱血ファンも少なくなかった。この人たちが名節になると、親類同士でも料理作りや皿洗い、ゴーストップの点数、進学、就職、結婚など、様々なことで言い争いをし、普段も血縁、学縁、地縁と理念との間でいざこざを起こしがちな我々の隣人なのかと思ってしまう。快く思う存分楽しんだ後は、引き分けで終わった試合への残念な気持ちを後にして、いつも通りの日常へと帰っていった。

◆W杯のため、胸がどきどきし、夜眠れないのは全ての出場国が同じであろう。紛争地域を除いた世界の殆どがその魔法にかけられていると言っても過言ではない。ブラジル大会が終わる来月14日まで、グローバル・コミュニティの最も大きな話題の一つがW杯になるはずなので、そこに隠された重要なイシューも多いはずだ。苦悩の多い為政者には世論の関心から逃れる絶好のチャンスであるはずだ。このようなイベントが4年に1度だけなのが遺憾であるかも知れない。

◆セウォル号の遺族は、「W杯を楽しむ瞬間だけは全国民が一つになってほしい」と話した。前よりは落ち着いていても、W杯の気分が盛り上がっている。しかし、大きな祭りが終わった後は、再び虚脱した現実に直面することになりがちだ。世の中がその間に暮らしやすくなるだろうか。政治も相変わらずであるはずで…。国民が誇らしく「大〜韓民国」の一体感を抱いて生きられるようにするためにはどうしたらいいだろうか。洪明甫(ホン・ミョンボ)監督に国政を任せるわけにもいかないし…。

韓起興(ハン・ギフン)論説委員 eligius@donga.com