中国が、「3不1無」の韓半島政策基調に、北朝鮮の非友好的政策に立ち向かうという不可項目を追加した背景には、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権と中国との異常な関係が反映されたものと見られる。
北朝鮮労働党の金正恩第1書記が昨年12月、自分の叔父であり、親中派と知られている張成澤(チャン・ソンテク)を粛清したことが、主ななきっかけとなった。当時、金正恩政権が、「(張成澤は)海外に国益を売り渡した売国奴」だと公表したのは、北京指導部の気持ちを刺激する要因となった。北京の外交消息筋は、「この発言は結局、中国を狙う発言ではないか」とし、「中国の習近平国家主席が、北朝鮮より中国に友好的な韓国を先に訪問したのは、論理的選択だ」と説明した。
中国外交専門家の人民大学の時殷弘国際関係学院教授は、今年下半期に米国のとある英語ジャーナルに刊行する予定の論文に、このような中国の気流変化を伝えている。東亜(トンア)日報が2日に入手した、「03年以降の中国の対北朝鮮政策(China Facing North Korea Since 2003)」と題した論文の素案は、△血盟ではなく、一般的国家関係に差し掛かった中朝関係の変化は、習近平時代にさらに拍車がかかるであろうし、△中国は、金正恩政権の対中非友好政策を容認しないはずであり、△今後、北朝鮮の態度によっては、対北朝鮮政策の基調を樹立するという内容を盛り込んでいる。
時殷弘教授は、東亜日報の電話取材に対し、「今後、中朝関係は一言で、『出乎爾者反乎爾(自分が行ったことの結果は、自分に戻ってくる)』、または、蛙の子は蛙という意味の『種豆得豆』で表現できるだろう」と説明した。
政府当局者は、「中国の対北朝鮮基調が、このような方向へと変化しているという分析が可能だ」とし、「かつては特殊関係だった中朝関係が、今は、普通国同士の関係へと変化している」と話した。
しかし、このような中国内の気流変化は、韓国が主導する韓半島統一を公に支援したり、北朝鮮を追加で圧迫する方向へと直接つながることになるとは思えない、という指摘も出ている。実際、最近韓米両国が引き続き中国に対し、北朝鮮への追加制裁を要求していても、中国はびくともしないという。北朝鮮が、(追加の核実験などを通じて)挑発しない限り、北朝鮮への追加的圧迫は不要だと主張しながら、前提条件無しの6者協議を要求する中国内の空気は、当面続くものと見られる。