7・30再補欠選挙のソウル銅雀(ドンジャク)乙の候補公認をめぐって8日、新政治民主連合では罵声が行き交った。奇東旻(キ・ドンミン)前ソウル市政務副市長が銅雀乙の戦略公認を受け入れたことで、許同準(ホ・ドンジュン)前銅雀乙地域委員長と支持者が記者会見場に乱入して激しく抗議し、小競り合いとなった。いわゆる「486」学生運動の同志が公認をめぐって見苦しい「素顔」を見せたのだ。
奇氏は同日午前9時30分、国会記者室の政論館で銅雀乙の出馬を公式に宣言した。党指導部が3日に戦略公認を発表して5日後のことだ。奇氏は当初、光州(クァンジュ)の光山(クァンサン)乙に公認を申請したが、指導部が朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長を前面に出して選挙を戦うために銅雀乙に回したのだ。
奇氏が出馬会見文を読み始めると、許氏の支持者約10人は演壇に駆け寄り、奇氏を押し出した。「銅雀乙を守ったのは許同準」と書かれたプラカードを持って「戦略公認反対」を叫んだ。許氏も駆け寄った。奇氏が「『20年来の仲』の許氏に一生の借りができた」と読んだ時、許氏は「だめだ」と大声を出した。
許氏が、奇氏の銅雀乙公認を支持するために後ろに立っていた兪銀恵(ユ・ウンヘ)議員らを押しのけて罵声を発した。壇上を占拠した許氏は、「『20年来の仲』を傷つけるこのような人の道に反する事態を生んだキム・ハンギル、安哲秀(アン・チョルス)(共同代表)は辞任すべきだ」と叫んだ。「これを許す人はみな共犯だ」とも述べた。
奇氏は準備した出馬会見文をすべて読むことなく会見場を去らなければならなかった。正面のドアではなく裏から出て行った。奇氏は、会見場近くの廊下で記者団に、「長い間地域を守って献身してきた人の叫びを理解する。切迫した気持ちを知りながらもこの道を行くしかない」と話した。許氏が廊下まで追うと、奇氏は追われるように国会を去った。
ある当局者は、「許氏の心境を理解できないわけではないが、党人として守らなければならない線がある」と不快感を示した。別の党役員は、「権力闘争に埋もれている486の現住所を赤裸々に表した」と批判した。李錫玄(イ・ソクヒョン)国会副議長は院内対策会議で、「我が党の公認の混乱は度を越えている。共倒れが憂慮される」と述べた。
奇氏は事前に配布した出馬会見文で、「必ず勝利するための党の決定を受け入れる」と明らかにした。そして、「『ソウルの変化をここで止めることはできない』というのが朴市長の今選挙のキャッチフレーズだった。私は銅雀乙で新しい変化のために努力することを決めた」と力を込めた。「朴元淳の人」として7・30再補選を確実に「朴元淳選挙」で戦うという決意だ。しかし、「朴元淳の旗」に大きな傷が残ることになった。