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サッカーが嫌いになったサッカーの国

Posted July. 11, 2014 03:53,   

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その後遺症は深刻だった。サッカーワールドカップブラジル大会、ドイツとの準決勝試合で衝撃的な敗北を喫した9日(韓国時間)、大半のブラジル国民は、失意を超え、魂が抜けた。その翌日の10日、サンパウロ市内でも、敗北の後遺症は残っていた。普段と変わらず、出勤する市民たちやいそいそと自分の仕事についていた人たちで、市内は賑わった。しかし、かつてとは違う点もあった。マンションのいたるところに掲げられていたブラジル国旗が、目立って減っていた。黄色ユニフォームを着た観衆は、ほとんどいなかった。スポーツ用品店で高価に売れていたブラジルユニフォームも、セールに入った。

市内で若者らは、外国人が通り過ぎると、「セチ(sete=数字の7)」を叫び、指7本を示した。すでに、ブラジル国民にとって、数字の7は、恥や自嘲の象徴となっている。新聞や放送では、数字7と共に、準決勝で冴えなかったプレーをした攻撃主のフレッドやルイス・フェリペ・スコラーリ監督をあざ笑うさまざまなパロディが殺到している。

ブラジル国民にとって、もはやサッカーは、祭りでも希望でもなかった。サッカーマニアを自認するマルセロ・マチェラール氏は、「しばらくは、ブラジルサッカーを見ないような気がする。テレビをつけて、黄色いユニフォームを見れば、1対7の敗北の悪夢が浮かぶのではないか怖い」と話した。

政治圏や世論の反響も激しい。ブラジル連邦下院は、ワールドカップが終わった後、サッカー協会会長や副会長を出席させ、聴聞会を開く案を検討している。ワールドカップの準備過程などをきめ細かく調査する方針だ。ワールドカップ期間中は静かだったワールドカップ誘致の批判世論やデモも、頭をもたげるものと見られる。ワールドカップ反対デモを主導してきた複数の社会団体は、「ブラジル代表チームの惨敗が、ワールドカップ反対世論に油を注ぐだろう」と明らかにした。

ブラジル国民は、あれほど好きだったサッカーを通じて、現実についてさらに関心を持つようになったと、口をそろえている。ブラジル新聞記者のフェリピ・マラ氏は、「ブラジルサッカーと経済、政治など、ブラジルの全般的状況は同じだ。上辺ではなんら問題がないと主張しているが、結局、問題はいつの間にか明らかになる。このような事実を気付かせてくれたブラジル代表チームに感謝しなければならないだろう」と話した。