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黒人射殺の抗議デモを沈静化させた米司法長官の手腕

黒人射殺の抗議デモを沈静化させた米司法長官の手腕

Posted August. 23, 2014 03:35,   

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「長官としてよりも10代の息子を持つ父親としてここに来た」

20日(現地時間)午前、10代の黒人青年マイケル・ブラウン君が警察官に射殺された事件で抗議デモが続いていた米ミズーリ州ファーガソン市のあるレストラン。事態の収拾に乗り出した米国初の黒人司法長官であるエリック・ホルダー長官は、地域の関係者たちを面会して、こう切り出した。

そして、「経験豊かな最高の連邦捜査官と検事を捜査に投入した」とし、事態の沈静化に協力を求めた。州兵まで動員してデモ隊を圧迫するだけだった州政府とは違った態度に、地域の住民たちは心を開いたようだった。一部の人は「信じてみる」と握手を求めた。

ホルダー長官はその後、デモをした黒人学生たちとブラウン君の遺族に会った。ホルダー長官は学生たちに、「私は長官だが黒人でもある。私自身のこととして事件を受け止めている」と話した。

なかなか突破口が見つからなかったファーガソン市の事態に対して、米政府の公権力の首長が見せた誠実な意思疎通は、予想より多くの共感を得た。

黒人と白人、民と官が鋭く対立し、「第2のロサンゼルス黒人暴動」に飛び火する兆しまで見せた今回の事態は、ホルダー長官の訪問を機に沈静化に向かっている。ミズーリ州のニクソン知事は21日、4日前動員した州兵を撤収すると明らかにした。22日未明にもデモ隊は街に出たが、警察との対立は前日よりも激しくなかった。

「ホルダー長官が行って変わるだろうか」と半信半疑だった米国人は、ホルダー長官の訪問の効果に驚いている。ブラウン君の母親のレスリー・マックスパッデンさんは同日、CNNとのインタビューで、「長官の訪問を機に変わった点がある」と期待感を表した。

ホルダー長官の言動が感性的で、時間が経てば政治的なパフォーマンスに終わるという見方もあった。しかし、ホルダー長官は21日にも記者会見を行い、「この事件が忘れられても、司法省はファーガソン市と共に行う」と強調した。

この事態は、解決が難しい難題であればあるほど、政府と政界が「自分の問題」と感じ、当事者の目線で意思疎通してこそ解決の糸口が見出せるという常識を再確認させる。