「私達の子どもたちに催涙弾を放った。梁振英行政長官は退け」。
30日(現地時間)未明、香港の金融中心街である中環(セントラル)の皇后像広場前の道路。デモ隊数千人が座り込みをするこの場所で、78才の呉瑋慶さん(女)が、「子どもたちを助けよう(救救孩子)」と書いたはちまきを頭に巻いてデモへの参加を呼びかけた。呉さんは、「私は政治には関心がない。子どもたちがケガをしてはならないと願うだけだ」と話した。
行政長官の候補資格を制限しようとする中国政府に、反発して起きた香港民主化デモは、先月28日、警察の催涙弾発射後に状況が一層悪化している。民主派デモ隊は、当局の解散命令を拒否し、3日目の30日も中環や香港島西部地域、九龍地区の旺角などの主要道路を占拠し、徹夜で座り込みを続けた。彼らは道路にバリケードを作り、「真の普通選挙を勝ち取る」、「梁振英下野」などのスローガンを叫んで行進したり歌を歌って、候補資格の制限に抗議した。
大学生だけでなく、中学・高校生や教師、会社員まで自発的に街頭に出たことで、先月29日夕方、デモ参加者が初めて10万人を超えたと推算された。催涙弾を使って強制的に解散を図ったことが、多くの香港市民をデモの現場に呼び出したのだ。
梁長官は30日、記者会見で、「不法行為による脅しには屈しない」とし、デモ隊の辞任要求を拒否した。香港当局とデモ隊が譲歩のない対立を続ける中、10月1日の中国の国慶節(建国記念日)を機に、デモ活動が最大の局面を迎えると見込まれている。
香港教育専業人員協会(PTU)会長は、「私たちは何が正しく、何が正しくないかを話している。学生たちが自分の感情を表現させることは大変重要であり、教師はこれを避けられない」と述べた。前日に続き30日も、31校の中学校が休校した。香港に滞在する外国人も街頭に出て、「香港は私たちの故郷(HongKong is our home)」などのスローガンを叫んで加勢した。