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申京淑氏、「他国で自分の作品の話を聞くと、読者になった気分」

申京淑氏、「他国で自分の作品の話を聞くと、読者になった気分」

Posted October. 27, 2014 04:43,   

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「母にこの本を贈るが、(母がこの本を見て)私のように泣くかも知れないので心配です」

24日(現地時間)、米カリフォルニア大学バークレー校の同窓会館で開かれた「申京淑(シン・ギョンスク)と韓国文学」国際シンポジウム。青い目の米国人女子学生が申氏に、「母をお願い」の英語版「Please Look After Mom」を恥ずかしそうに差し出した。彼女は、自分が受けた感動を母親に伝えたいと言って、申氏にサインを頼んだ。その瞬間、シンポジウムの間緊張した様子だった申氏の顔に笑みが浮かんだ。

3年前に米国で出版された「母をお願い」は、ニューヨーク・タイムズのベストセラー作品の中でハードカバー小説部門14位になった。現在、英国や日本、フランスなど35ヵ国で紹介されている。

カリフォルニア大学バークレー校の韓国学センターが主催した国際シンポジウムは、準備した150余りの席がすべて埋まるほど、米国ファン反響が大きかった。今年6月に米国で出版された申氏の「どこかで私を呼ぶ電話のベルが鳴って」(英題=I`ll Be Right There)を読んだというある青年は、「英語の本を先に読んだ。原作の表現が知りたくて、韓国語版を買って比較しながら読んだ。英語の題名と韓国語の原題の感じが違うようだ」と話した。

申氏のサイン会の前に、韓国文学を専攻した教授や外国人翻訳者たちが申氏の作品の翻訳状況と作品の特徴などについて論文を発表した。米国だけでなくカナダやイタリアから来た出席者もいた。カリフォルニア大学バークレー校大韓国学センターのローラ・ネルソン・センター長は、「この大学で、韓国作家1人だけにスポットライトをあてる国際シンポジウムを開いたのは初めて」と話した。同大学の東アジア語文学科招聘教授としてシンポジウムを企画したクォン・ヨンミン檀国(タングク)大学教授は、「韓国文学の領域が世界に広がっていることを象徴的に示す」と話した。

「母をお願い」のイタリア語版を編集したマルセラ・マリニ氏は、申氏の小説が国家と民族を越える普遍的な魅力を有していると評価した。同氏は、「申氏は、韓国の特殊な歴史を扱うとともに、愛という普遍的な主題を表わし、イタリアのカトリック文化ともよく合う。特に、『母をお願い』の親子間の対立は、欧州でも示唆するところが大きい」と語った。

マリニ氏は、英語版を経ずに韓国語の原文をイタリア語に翻訳した。同氏は、「イタリア語は韓国語と違って感情を表現する単語が豊富でなく、申氏の長くて優雅な文体を消化するのが容易でなかった」と話した。

英文の翻訳者である梨花(イファ)女子大学通訳翻訳大学院のチョン・ハヨン教授は、韓国文学の世界化による翻訳の重要性を強調した。チョン教授は、「申氏の小説は、独特の語調と人物の個性的な声が重要だが、これを外国語で伝えることは難しい」とし、「小説の中の文体の美しさを生かすことが重要だ」と指摘した。

カリフォルニア大学バークレー校韓国学センターは、今年、申氏を皮切りに毎年韓国作家を招待してセミナーや講演会、朗読会を開く計画だ。韓国古典など多彩な文学作品や研究書を翻訳・出版し、翻訳者を養成するための「国際韓国文学翻訳ワークショップ」も開催する予定だ。

申氏は29日にスタンフォード大学を訪れ、「どこかで私を呼ぶ電話のベルが鳴って」の英語版の朗読会に出席する。