Go to contents

[社説]セウォル号は胸に刻み、国家改造を始める時だ

[社説]セウォル号は胸に刻み、国家改造を始める時だ

Posted November. 12, 2014 03:51,   

한국어

セウォル号の残る行方不明者9人の家族が11日、水中捜索の中止を要請し、政府は捜索中止を宣言した。同日、裁判所は、セウォル号の船長、イ・ジュンソク被告人ら乗務員に重い刑を宣告した。セウォル号沈没事故から209日が経過した。行方不明者の家族の決断に敬意を表する。行方不明者の家族は、捜索するダイバーの安全問題を捜索中止の最優先理由に挙げ、「私たちのように家族を失って苦しみの中で生きる人がこれ以上生まれてはならない」と述べた。

海洋水産部の李柱栄(イ・ジュヨン)長官は、事故の主務省庁の長官として、行方不明者家族の心をつかみ、円満な解決を引き出した。李長官は、事故直後から珍島(チンド)現地で行方不明者家族に寄り添った。李長官は、捜索中止を発表し、犠牲者の冥福を祈ると言った時、感情を抑えきれずに涙を浮かべた。

しかし、捜索中止が直ちにセウォル号の引き揚げを意味しては困る。セウォル号の引き揚げによって残る行方不明者が発見できるかどうかも疑問だ。引き揚げにかかる費用は1000億ウォンをはるかに上回ると予想されている。単純に経済コストと効果の問題だけで考えることはできないが、セウォル号の上に海上標柱を立て、追悼の場を設ける方法もあるだろう。

裁判所は、イ・ジュンソク被告人に対して遺棄致死罪などで懲役36年を言い渡した。裁判所は、イ被告人が避難指示をしたことから殺人罪は適用しなかった。船長の過ちで304人が犠牲になったにもかかわらず、殺人罪を認めなかったことに対して、法と現実の乖離を感じざるを得ない。そのほかの乗務員14人には、懲役5年から30年が言い渡された。これに先立ち、兪大均(ユ・テギュン)被告人など、兪炳彦(ユ・ビョンオン)前清海鎮(チョンヘジン)海運会長一家に対しても、裁判所の宣告が下された。2、3審でも事実と正義に則った審判が下されるだろう。セウォル号特別法は先月末に国会で可決された。今は日常に戻る時だ。光化門(クァンファムン)広場で特別法通過のために座り込みしていた遺族も、広場を市民に返さなければならない。

セウォル号事故を119に最初に通報した故チェ・ドクハ君の母親は、冷たい遺体となって戻ってきた息子にこう言った。「ドクハ、愛してる。一緒にいた時間は短いけれど、お母さんはとても愛したし、ドクハもお母さんを愛してくれた。本当につらい。ドクハ、抱きしめたい。私の胸の中で抱きしめたい」

4月16日は国家の羞恥の日だ。私たちは、大人たちの救助を信じて待ち、死んでいった子どもたちのことを絶対に忘れてはならない。セウォル号の関係者は断罪され、捜索も終わった。私たちがしなければならないことは、今から始まる。セウォル号の真相究明では消耗的な政争をせず、国家を改造する契機にしなければならない。