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[社説]衆院解散を招いたアベノミクスの危機が韓国に示唆するところ

[社説]衆院解散を招いたアベノミクスの危機が韓国に示唆するところ

Posted November. 19, 2014 03:11,   

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日本の安倍晋三首相が昨日の記者会見で、2016年2月に任期が切れる衆議院を早期解散し、来月に総選挙を実施すると明らかにした。来年10月に予定されている消費税(韓国の付加価値税)の追加引き上げの時期を、1年6ヵ月遅らせるという方針も発表した。安倍首相は、昨日発表された第3四半期の経済成長率が、2期連続のマイナス成長と集計され、いわば、「アベノミクス」の限界が明らかになると、衆議院解散と早期総選挙で突破する道を選んだ。

安倍政権は、国家負債が1000兆円を超える深刻な財政赤字を減らすため、消費税率を従来の5%から今年4月に8%に引き上げ、来年10月に10%に追加引き上げる計画だった。しかし、消費税引き上げのショックで、消費心理が萎縮し、年率基準の成長率が、今年第2四半期は7.3%に後退したのに続き、第3四半期もマイナス1.6%に止まった。アベノミクスの柱ともいえる通貨量や財政投入拡大、円安政策は、輸出大手企業の業績改善や株価上昇の効果はあげたものの、原材料や生活用品の輸入価格が高騰し、内需萎縮を招いた。

アベノミクスの失敗如何についての議論はあるが、深刻に揺らいでいることだけは確かだ。2期連続のマイナス成長で象徴されるアベノミクスの危機は、長期不況や財政赤字に苦しんでいる経済を、好循環構造を戻すのがどれほど難しい課題かを気付かせてくれる。経済が蘇っていない状態では、いくら金をつぎ込んでも、増税のショックに耐えられないということは、韓国にも示唆するところが大きい。

安倍政権が、消費税追加引き上げの延期を打ち出して、衆議院解散や早期総選挙という政治的掛けを選んだのは、支持率が下がっている現実の中、今、総選挙を行うのが政治的に有利だと判断したためだ。12年12月の総選挙で惨敗し、自民党に政権を再び明け渡した最大野党の民主党は、代案政権政党になっていないのが現状だ。突発的な変数のない限り、来月の総選挙で、安倍首相が率いる自民党は、過半数を獲得し、18年12月まで長期的に政権を握る可能性が高い。

韓国も、成長率墜落と財政赤字急増という「日本型不況」構造に似ている。日本の経験から見ても、消えつつある成長エンジンを再び蘇らせ、自然に税収増加や財政健全性復元へとつなげさせるのが急務だ。通貨政策や財政政策だけで、景気の流れを変えるには限界がある。製造業と建設業の競争力を維持しながら、サービス業で新しい突破口を探す根本的な産業構造の改革が必要だ。