「国楽は聴く人の精神を癒す深い響きを持っています。欧州で5本の指に入る音楽祭で観客を魅了した最高の人気音楽です」
ポーランド・ワルシャワの駐ポーランド韓国文化院(キム・ヒョンジュン院長)で会ったクロスカルチャー・ワルシャワ・フェスティバルのマリア・ポミャノフスカ芸術総監督。ポミャノフスカ氏は、来年に開かれる第11回フェスティバルで、国楽にスポットライトを当てる特別番組「フォーカス・オン・コリア」を開催することを決めたと明らかにした。毎年9月、観客1万〜2万人が集まるポーランド最大の音楽祭であるワルシャワ・フェスティバルで南米やアフリカ大陸セクションを開いたことはあるが、一国だけに焦点を当てるのは初めてだという。
東・中部欧州で権威のある音楽祭が国楽に魅了された理由は何か。「2012年、安淑善(アン・スクソン)氏を招待した時、公演会場を訪れた約2000人の人々が息を殺して興夫歌に聴き入りました。今年ワルシャワに来た創作国楽デュオ『スム』は、アンケート調査で、『2014最高の公演チーム』に選ばれました。フォーカス・オン・コリアはより多くの国楽公演を欲する観客の要求によるものです」
クラクフ国立音楽学校の教授であるポミャノフスカ氏は、ポーランドの伝統音楽と国楽が共有する点が多いと指摘した。12世紀から続いた民族舞曲マズルカのリズムは、国楽に使われる3拍子と似ている。韓国の伝統音階が5度和音であるのと同様に、ポーランドも5つの音階からなるペンタトニックスケールを主に使う。ポミャノフスカ氏は、「頻繁な外勢の侵略に苦しんだ歴史のためか、両国の国民の情緒が似ている」と説明した。
「1996年初めに訪韓してパンソリを聴いた時の戦慄と衝撃を忘れることができない」というポミャノフスカ氏は、牙箏(がそう)と奚琴(けいきん)を演奏する国楽愛好家だ。同日のインタビューにも、ピンク色の改良韓服を着ていた。今年10月、全州世界音フェスティバルに参加した際に買ったという。
「世界の民族音楽の流れが分かる『国際ワールドミュージックフェア』では、3、4年前から韓国の国楽に対して『このようにすばらしい音楽があったのか』と関心を示しています。このようなレベルの高い伝統音楽を有していることを韓国人は誇りに思うべきです。来年のフェスティバルの舞台に立つ国楽演奏家『ノルムマチ』と『コムンゴファクトリー』の公演が待ち遠しいです」