地下鉄でよく見る風景が動画に映っている。足を広げて座る男性、別名「マナー違反男」とその隣で窮屈そうに座る若い女性。しかし、ドアが開いた瞬間、大どんでん返しがある。女性が男にハイヒールでキックをくらわせ、急いで降りる。思いがけない報復に慌てた男は、ズボンをはたき、恥ずかしげだ。
◆2010年、世間の話題を集めた「マナー違反男への報復」の動画だ。「すっきりした」、「座席に仕切りを作って、領域は越えないようにしなければならない」といった「マナー違反男による被害者」のコメントが続いた。翌年には50代のマナー違反男が抗議する20代の男性を殴った「マナー違反男暴行事件」も起こった。マナー違反男は韓国だけの悩みではない。米ニューヨーク市都市交通局は今週から「マナー違反男退治」キャンペーンを行っている。マナー違反男のイメージとともに「足を広げないで下さい」という文句が書かれたポスターが各路線に登場した。
◆1日最大で610万人の乗客が利用するニューヨークの地下鉄。ラッシュアワーの時間帯の客車で起こるマナー違反男の行動は、たびたびフェミニストのソーシャル・ネットワーク・サービスを通じて広く知らされたが、ついに交通当局が本格的なキャンペーンに乗り出した。最近、英国の日刊紙テレグラフが今回のキャンペーンを報道すると、ロンドンの地下鉄でも「マナー違反男根絶キャンペーン」の実施を求める市民の要請が殺到した。
◆地下鉄の搭乗マナーを守らないのは、マナー違反男だけではない。混んだ車内で背中に担いだカバンで他の乗客に迷惑をかけたり、地下鉄のドアが閉まりそうなのに駆け込んでくる「迷惑乗客」、降りる駅でもないのにドアの前に立ち続ける人。自分の家の居間のように大声で電話で話したり、食べ物を食べる姿も見苦しい。すべて他人への配慮が足りずに起こった問題だ。マナー違反男の英語の新造語(Manspreader)が登場するほど、もはやマナー違反男はグローバルな問題になった。地下鉄など公共の場所で足を広げて座るマナー違反男は、ぜひ覚えていてほしい。同じ料金を払ったのだから、座る空間は公平にしよう!
高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com