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[社説]国会議員の首相候補、国会は検証の刃を鈍らせるな

[社説]国会議員の首相候補、国会は検証の刃を鈍らせるな

Posted January. 28, 2015 07:18,   

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首相候補に指名された李完九(イ・ワング)セヌリ党議員に対する人事検証が始まった。李氏が国会の任命同意を経て首相に正式任命されれば、経済副首相、社会副首相と共に副首相以上の3人が国会議員となり、与党代表や院内代表を務めた人物で構成される。立法や司法、行政の3権分立を基本趣旨としている憲法精神に合致しているかどうか、徹底的に突き詰めなければならない。

朴槿恵(パク・クンへ)大統領が李氏を選んだ背景には、国会議員であることが国会の人事聴聞会で有利に働くという判断があったのかもしれない。検証の刃を立てなければならない国会議員たちが、同じ国会議員だからといってかばうケースが多かった。現政府の発足後、金容俊(キム・ヨンジュン)氏や安大熙(アン・デヒ)氏、文昌克(ムン・チャングク)氏など首相候補に指名された多数の関係者が検証過程で脱落し、朴大統領の人事権行使に大きな汚点を残した。今回、再び首相候補が落馬することになれば、朴大統領の国政の舵取りはなおさら難しい局面を迎えるだろう。議員職を兼ねている黄祐呂(ファン・ウヨ)教育副首相や崔鍫煥(チェ・ギョンファン)経済副首相の抜擢も、同じ理由からだったはずだ。辞任した李柱榮(イ・ジュヨン)元海洋水産部長官の後任に与党議員が取りざたされている。

国会議員の首相や長官の兼職は、わが国のような大統領中心制では理にかなっていない。与党議員は、政権を作り出した主体として政権の成功のために政府と歩調をあわせなければならないが、それと同時に、立法府である国会の一員でもあるからだ。国会は、立法と共に政府けん制の役割も果たさなければならない。与党の党代表や院内代表までを務めた人たちが、議員バッチをつけたまま入閣し、行政の責任を取るポストに就けば、果たして、与党がけん制の声をきちんと出すことができるかどうか疑問だ。

過去の政府でも、国会議員が首相や長官を兼任するケースがあったが、慣例だという理由で見過ごされてきた。しかし、2012年の第18代大統領選挙を控えて、与野党はわれ先に「議員の特権放棄」を争いながら、国会議員の兼職禁止を一緒に約束した。与党セヌリ党は、首相や長官などの閣僚を含め、公益目的の職業のほかは兼職できないように定めた国会法改正案をまとめたが、昨年7月、国会法を改正しながら、「首相、または閣僚のほかの職を兼ねることはできない」と直した。野党議員らも政権党になったときに、同じ恩恵を享受できるため、相互の利害関係が合致したのだ

国会議員を兼職する閣僚は、給料は両方のうち高い方を選んで受け取るが、議員補佐陣や事務所など、議員時代に享受した恩恵は、全てそのまま提供を受ける。年間数億ウォンの税金が浪費される。後日、自分の政治的立場を固めたり、キャリアアップのために行政を利用できることも、特定の利益集団の圧力に簡単に振り回されることもありうる。地域区管理や選挙に気を使えば、閣僚の役割はないがしろにせざるを得ない。来年5月に総選挙があり、閣僚職を勝手に早期辞任する可能性が大きい。

間違った慣行は、遅れても正すべきだ。朴槿恵政府は、「異常の正常化」を強調している。李候補が首相に入閣し、朴大統領の成功的国政遂行を手助けするためには、自分への聴聞会が開かれる前に、自ら国会議員職から辞任すべきだ