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[オピニオン]コレステロールの赦免

Posted February. 13, 2015 07:08,   

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「麗水(ヨス)のカタクチイワシは、核酸とカルシウムが多く、コレステロールを下げる健康食品」、「成人病の予防に良いカプサアオノリは、アルギン酸が豊富で、体内の中性脂肪とコレステロールを低下させ…」、「カキのタウリン成分が血中のコレステロールを減らし…」、このような説明を聞くと、コレステロールは食べてはいけない悪い脂肪のようだ。コレステロールに悪党のイメージがついたのは、1961年に米国心臓協会が「コレステロールが心臓疾患をはじめ成人病を引き起こす可能性がある」と警告してからだ。

◆昨年末、米国食生活指針諮問委員会が、「食べ物によるコレステロールの摂取は、血中のコレステロール濃度に特に影響を及ぼさない」という最終決定を下したと、ワシントンポスト紙が報じた。米国人の朝食には卵が欠かせないが、さらにエビとカニまで食べても血中のコレステロールが高くなったり、心臓疾患の危険が高まることはないということだ。米政府が諮問委の決定を受け入れて、「米国人食生活指針」を改正し、コレステロールは54年ぶりに悪い物質という汚名をすすぐことになる。

◆サッカリンやグルタミン酸ナトリウム(MSG)のような食品添加物も、長く有害物質とされた。砂糖より糖度が300倍も高く、価格も安いサッカリンは、発ガン物質という烙印を押され、長い間忌避食品となった。しかし、サッカリンの安全性に関する研究結果が多く出て、1993年に世界保健機関(WHO)が安全性を公認した。米国のオバマ大統領がサッカリンを誤った食品規制の事例にあげるほどだ。コクを出す合成調味料MSGへの一部の不信は依然として根強いが、学会では異常がないという。その隊列にコレステロールも合流することになるわけだ。

◆コレステロールが多く含まれている代表的な食品は卵黄だ。卵黄には、1個当たり200ミリグラムのコレステロールが含まれているが、これは米国の食生活推奨量「1日300ミリグラム以下」の3分の2だ。100グラムで換算すれば1300ミリグラムにもなり、牛の小腸(190ミリグラム)や明太子(350ミリグラム)よりコレステロールの含有量が高い。コレステロールが汚名をすすげば、卵の消費が増えそうだ。むろん、糖尿病などの患者は避けた方がいい。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com