ポスコグループの不正をめぐる疑惑を捜査中の検察は16日、ベトナムで100億ウォン台の裏金を作った疑いがもたれているポスコ建設の役員2名などの関係者を呼んで取調べを行った。ソウル中央地検・特別捜査2部(チョ・サンジュン部長)はベトナムでの裏金造成だけでなく、国内経営過程での不正の状況をつかみ、ポスコ元会長の鄭俊陽(チョン・ジュンヤン)氏やポスコ建設元副会長の鄭潼和(チョン・ドンファ)氏などを呼ぶ時期を検討している。
検察はまず、元ベトナム法人長で常務のパク某氏などが、ベトナム建設工事当時、下請け会社との資金取引の過程で裏金を作った後、これをベトナム現地の発注先にリベートとして提供し、一部は役員が横領した疑いを裏付けることに集中している。また、鄭元副会長の在任当時に行われた各種の国内事業関連の不正などを立証した後、裏金が李明博(イ・ミョンバク)政権の有力者たちに流れたのかどうかを確認する方針だ。09年、鄭元会長がグループ会長に就任した当時から、李相得(イ・サンドゥク)元国会副議長と朴永俊(パク・ヨンジュン)元知識経済部第2次官が会長の人事やポスコの各種合併・買収作業に介入したという疑惑が持ち上がっていた。
「ポスコ受難の歴史」は政権交代のたびに受け継がれてきた。故朴泰俊(パク・テジュン)元名誉会長は92年辞任したが、翌年の金泳三(キム・ヨンサム)政権発足と同時に、贈収賄の疑いで起訴された。94年会長に就任した金滿堤(キム・マンジェ)元会長は、金大中(キム・デジュン)政権発足直後に自ら辞任し、劉常夫(ユ・サンブ)前会長は背任の疑いで起訴された。李龜澤(イ・グテク)元会長も李明博政権が発足して1年後の09年、任期を約1年残して退いた。00年民営化され、現在は政府が持分を保有しない民間企業だが、はっきりした「オーナー」がいないため、経営幹部の選任・退任の過程で、政界の外圧を巡る議論が頻繁に浮上している。
一方、ポスコの権五俊(クォン・オジュン)会長は16日主要役員が出席する会議で、「国民と株主に心配をかけたことを遺憾に思う。検察の捜査に誠実に協力し、疑惑を早期に解消することで、経営への影響を最小限に止め、信頼を回復できるよう努力する」と述べた。特に権会長は、「今回の検察の捜査を機に、どのような環境でも業務指針の遵守を徹底し、企業倫理を最優先していく」と強調した。
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