李完九(イ・ワング)首相が、成完鍾(ソン・ワンジョン)京南(キョンナム)企業会長の知人である忠清南道泰安郡(チュンチョンナムド・テアングン)議会の李容姬(イ・ヨンヒ)と金眞權(キム・ジングォン)議員に15回に渡って電話をかけたことが明らかになった。李首相は、成会長が自殺する前日の8日、彼らと成会長が何について話し合ったのかについて集中的に追求したという。「私は首相なのだから、私に言いなさい」と急き立てた場面もあった。相手が携帯電話の電源を切ったと打ち明けたほどだから首相の面子丸つぶれだ。
李首相は、「よしみがあったので、どんな言葉が交わされたのか確認しなければならない必要性があった」といい、「よしみのあった方に電話をしなければ、もっと変じゃないか」と主張したが、受け入れがたい主張だ。李首相に何か後ろめたいことでもあるのか、それともとある野党議員の主張のように、李首相が証拠隠滅を試みたのではないかという疑問が生じざるを得ない。
李首相の名が連なる「成完鍾リスト」が初めて公開された時、李首相は、「第19代国会当時、1年間一緒に議会政治活動をしたことのほかは、個人的に親密な関係ではない」と釈明した。しかし、これまた信頼できない。成会長は最近、検察から捜査を受けた時、李首相に直接間接的に救命を要請した。李首相は今年2月、国会人事聴聞会のとき、自分への世論が悪化すると、成会長が作った「忠清フォーラム」に支援を要請したという。二人は、DJP(金大中と金鍾泌との連合)時代から密接な関係だったという証言も出ている。李首相は人事聴聞の過程で、自分の兵役関連疑惑と関連し、虚偽の主張をした。一部の記者らとの食事の席での発言を否定したが、録音記録が公開され、大恥をかかされたこともある。氏は昨日、国会の政府向け質問で、「血液がんで闘病生活だったため、2012年の大統領選挙には関われなかった」と主張したが、当時、与党セヌリ党の忠清南道名誉選挙対策委員長を引き受け、何度も支援活動に乗り出したという。彼は不利ならひとまず否定し、言い逃れる姿を見せ、改めて道徳性の問題を露呈した。
李首相は、「京南企業と故人から政治的後援金を受けたことなどない」と語ったが、リストに名前が挙がったことも、成会長知人たちに不適切な電話を掛けたことも釈然としない。李首相が本当に堂々としているなら、自ら真っ先に捜査を受けたいと名乗るべきだ。「検察は法律や原則に則って、聖域無く厳正に対処すべきだ」と指示した朴槿恵(パク・クンへ)大統領の意思に沿って、検察の「聖域の無い捜査」に助力する方法になるだろう。