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心筋梗塞を10分で確認、浦項工科大学研究チームが診断技術を開発

心筋梗塞を10分で確認、浦項工科大学研究チームが診断技術を開発

Posted May. 09, 2015 07:14,   

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韓国の研究チームが、10分で心筋梗塞を確認できる診断技術の開発に成功した。浦項(ポハン)工科大学(POSTECH)化学工学科のチョン・サンミン教授(写真)チームは8日、先月20日付けの国際学術誌「分析化学(Analytical Chemistry)」で同技術を発表したと明らかにした。

心筋梗塞はがんと脳血管疾患に次ぎ、韓国人の死亡原因3位となっている。2時間以内に治療を受けられなければ心臓麻痺で死亡する可能性があり、生き残ったとしても脳損傷など深刻な後遺症が残りかねないため、迅速な対応が求められる。

現在少量の「トロポニンI」まで敏感に検出できる診断装置の価格は1000万ウォン以上で、検査時間も約4時間かかる。20分で診断が可能な携帯用診断装置もあるが、心筋梗塞の初期段階には正確な診断が難しいという短所があった。

研究チームは、心筋梗塞の発症で心臓の筋肉が腐り始めると、その中に入っている酵素やたんぱく質が血液の中に流れ出ることに注目した。その中でもトロポニンIは他の臓器にはないたんぱく質で、血液からこのたんぱく質が見つかれば、心筋梗塞と診ることができる。

研究チームが開発した装置は大きさ8センチ程度の携帯用だが、精密診断が可能だ。トロポニンIにくっ付く抗体でコーティングした白金ナノ粒子に血液を混合した後、同じ抗体を塗ったガラス瓶に入れる。この時、血液の中にトロポニンIがあれば、このたんぱく質がガラス瓶と白金ナノ粒子にくっ付き、3層構造を形成する。この血液を出して過酸化水素水を入れると酸素が発生し、ガラス瓶の蓋につながる毛細管の中のインク滴が温度計のように上に上がる。一方、血液の中にトロポニンIがない場合は、瓶の中身を出す時に白金ナノ粒子まで排出されるため、酸素が発生しない。

チョン教授は「トロポニンIが0.1ng(ナノグラム)さえあれば、たったの10分で検出することができる」とし、「診断装置の製造費用も最大200ウォン程度で、医療施設が脆弱な田舎や第三世界の国に安価で普及できるものと期待される」と述べた。



jxabbey@donga.com