Go to contents

天才数学者、ジョン・ナッシュ氏が事故死

天才数学者、ジョン・ナッシュ氏が事故死

Posted May. 26, 2015 07:21,   

한국어

統合失調症を克服し、ゲーム理論で20世紀の知性史に名を刻んだ天才数学者、ジョン・ナッシュ氏が23日、交通事故で逝去し、ナッシュ氏の映画のような人生に関心が集まっている。

映画「ビューティフル・マインド」のモデルとなったナッシュ氏は、20代後半から30年間、統合失調症を患ったが、これを知性の力で克服し、1994年にノーベル経済学賞を受賞した人物。この事故も、数学界のノーベル賞と呼ばれるアーベル賞の授賞式のためにノルウェーに行き、米ニュージャージー州のニューアーク空港から帰宅している途中に起こった。

ナッシュ氏は22才だった1950年、「非協力ゲーム」という27ページの論文で、名門プリンストン大学で博士学位を取得し、人生の頂点に達したかに思われた。「ナッシュ均衡」とも呼ばれるナッシュ氏のゲーム理論は、当時、独歩的(独創的)な成果とされた。ソ連と冷戦中だった米政府は、ナッシュ氏に新聞と雑誌に隠されたソ連の暗号を解くよう要請し、これを受け入れたナッシュ氏は、ソ連のスパイが自分を尾行していると考えるようになり、統合失調症を患うことになる。この事故で死亡した妻のアリシアさんも、看病に疲れてナッシュ氏から去ったが、再び戻ってきた。

ナッシュ氏は最近、米公共放送PBSとのインタビューで、「集中してある数字を見ていると、後に天から数字を通じて啓示を受ける感じを得た」と語った。

ナッシュ氏は、妻の献身的な内助もあり、ついに統合失調症との闘いに勝った。ノーベル経済学賞を受賞する前のインタビューで、「知性の力が徐々に幻覚を拒否し、再び私の中の理性を作動させることができた」と吐露した。

ナッシュ氏の死の知らせに、米国のメディアは、「20世紀の最も偉大な理論の創始者であり、人間勝利の象徴が私たちから去った」と死を悲しんだ。映画「ビューティフル・マインド」でナッシュ役を演じた俳優のラッセル・クロウは24日、ツイッターで、「ジョンとアリシアは驚異的なパートナーだった」と死を悼んだ。