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[社説]核を放棄し制裁を脱したイラン、北朝鮮の核だけが残った

[社説]核を放棄し制裁を脱したイラン、北朝鮮の核だけが残った

Posted July. 15, 2015 07:16,   

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13年間、世界の平和を揺さぶったイランの核開発の脅威を解消する土台ができた。イランと6ヵ国(国連安全保障理事会常任理事国5ヵ国+ドイツ)は14日、オーストリア・ウィーンでイランの核開発停止と制裁解除を交換する具体的案に合意した。02年にイランの秘密ウラン濃縮施設が発覚して始まったイランと国際社会の葛藤が解消したことで、世界の耳目は北朝鮮に集まることになった。

イランはウラン濃縮施設の縮小などで核兵器1個の製造用核物質を確保するために必要な時間を1年以上に増やすことを約束した。合意履行を監視するために国際原子力機関(IAEA)査察団はイランの軍事施設まで査察する。イランに対する経済制裁は、IAEAによる軍事施設の査察の結果、核兵器開発と関係がないと確認される場合、解除される。イランが直ちに解除を要求した在来式兵器の禁輸措置は、5年間継続することで決定された。

イランは、人口8000万人、原油埋蔵量世界4位、天然ガス埋蔵量2位を誇る潜在的経済大国だ。しかし、長期間続いた経済制裁で国内生産が減少し、実質失業率が20%に達するほど苦しんだ。1日の原油輸出量は300万バレルから100万バレル水準に減少した。無謀な核開発を試みて経済的苦痛と国際社会の孤立を招いたのだ。13年8月に発足したロハニ政権が核危機を脱するために協議に乗り出す歴史的な選択をした。イランが制裁の鎖を解いて正常な国際社会の一員になれば、経済復興の転機になる。

イランが「核開発放棄、制裁解除」の先例を作ったものの、北朝鮮核の解決を期待することは難しい状況だ。北朝鮮は3度も核実験を行い、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は12年初めに権力を握ると、憲法に「核保有国」であることを明示し、核と経済開発を同時に推進する並進路線まで採択した。北朝鮮核の解決に向けた6者協議は08年12月以降開かれていない。

イランの核交渉妥結は、強力な制裁と対話の「ツートラック戦略」が問題を解く道であることを示した。北朝鮮を対話に引き出すために努力しつつ、核実験などの挑発に対しては強力な制裁の実施を警告する複合的なアプローチが必要だ。イランの核開発を阻止した強大国は、北朝鮮への制裁と対話に邁進しなければならない。北朝鮮がイランのように核を放棄して制裁から脱することが唯一の生存の道であることを悟るまで、国際協力に揺るぎがあってはならない。