
トランプ旋風は「バブル」ではなかった。
2016年米大統領選の序盤の形勢をはかる共和党初のテレビ討論会が6日午後(現地時間)、米オハイオ州クリーブランドのスタジアム「クイックン・ローンズ・アリーナ」で、フォックスニュースの主催で開かれた。トランプ氏、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事など17人の候補のうち世論調査の結果、上位10人だけが参加した。
討論会の主人公は断然トランプ氏だった。討論会で徹底した検証を受ければバブルがすぐに消えるという予測は完全にはずれた。今は変数ではなく定数になったという評価も出ている。
開始から他候補の攻撃がトランプ氏に向けられたが、鋭鋒をかわし、米国全域に生中継された討論会を楽しんだ。世論調査1位で舞台の真ん中に立ったトランプ氏は、「予備選挙の結果に承服しない候補は手をあげて下さい」という司会者の第1の質問に一人だけ手をあげた。客席から歓呼とヤジが起こったが、トランプ氏は大したことないという表情で、「私ではなく別の候補が共和党の大統領候補に指名されるなら、『その人を尊重する』と断言できない」とし、「現時点では(予備選挙結果の承服を)約束しない」と述べた。予備選挙に敗北した場合、第3党または無所属出馬の可能性まで残した。
トランプ氏は、自分が提起した争点についても退かなかった。ヒスパニック不法移民者を性犯罪者にたとえたことについて、「私が言及するまで誰も取り上げなかった問題だ」とし、「米国の愚かな政治家たちが不法移民問題をうまく扱うことができなかった」と批判した。ランド・ポール上院議員が大きな声で、「あなたはこれまで政治家を買収したことはないのか」と指摘すると、「あなたにも多くのお金を渡さなかったか」と暴露した。
2位のブッシュ氏と3位のスコット・ウォーカー・ウィスコンシン州知事は、特に注目を浴びることはなかった。ブッシュ氏はヒスパニック不法移民について、「彼らは不法移民を選択するほかなかった」と擁護したが、反応は薄かった。
現地メディアは、トランプ氏旋風がさらに強まると見通した。CNNは、「すでにリードしているトランプ氏が初のテレビ討論で爆発的な討論をした。トランプ氏の『リアリティーショー』が轟音を鳴らした」と報じた。米議会専門紙「ザ・ヒル」は、「初めから火花散る攻防が繰り広げられたが、トランプ氏はひるまなかった」と評価した。
トランプ氏の「ワンマンショー」に民主党の有力候補のヒラリー・クリントン前国務長官は緊張する様子だった。クリントン氏は、討論会の途中、メールで報道資料を出し、「私はこれ以上意味のない討論会を見ない」とし、「視聴中止」を宣言した。