北朝鮮が15日、「ウラン濃縮工場をはじめ寧辺(ヨンビョン)のすべての核施設と5MW黒鉛減速炉の用途が調節・変更され、再整備されて正常稼働を始めた」と公表した。さらに、米国などが北朝鮮への敵対政策を続ける場合、「いつでも核の雷声で応える万端の準備ができている」と主張した。14日夜には、「世界は今後、先軍朝鮮の衛星が我が党の中央が決めた時間と場所で大地を蹴って青空高く上るのをはっきりと目にするだろう」と警告した。来月10日の労働党創建70周年を控え、核とミサイルの威力を誇示していると見えるが、実際に挑発する可能性も排除できない。北朝鮮の地雷挑発による一触即発の危機が8・25南北合意で解消されたと油断していては、さらに危険な安保危機が迫り得る。
北朝鮮の最後の核実験は2013年2月12日、長距離弾道ミサイルの試験発射は2012年12月12日に強行された。その後、北朝鮮は核弾頭の小型化技術を確保したという観測が流れている。北朝鮮が15日、「各種核兵器の質的・量的水準を絶えず高め、核抑止力の信頼性を担保するための研究と生産で連日革新を創造している」と言ったことも尋常ではない。北朝鮮は最近、平安北道鉄山郡東倉里(ピョンアンプクト・チョルサングン・トンチャンリ)のミサイル発射台を約60メートル増やしており、最大射程距離1万2000キロの長距離ミサイルを試験発射すると見られている。目に見える政治功績のない金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が、党創建70周年記念式で核とミサイルを公開するという分析もある。最近、韓中関係が接近し、国際社会の北朝鮮に対する圧力がより強まるムードの中、挑発で応酬する可能性もある。
北朝鮮が核実験やミサイル試験発射を強行する場合、来月20〜26日の南北離散家族再会にも暗雲が立ち込め、8・25合意が揺れるほかない。政府が、「異常な事態が発生しない限り」という前提をつけて北朝鮮に向けられた拡声器放送を中止したことも、再考する必要がある。長距離ミサイル発射や核実験は韓国への脅威を越え、世界平和まで危険にさらす深刻な挑発だ。
北朝鮮は、弾道ミサイルを発射しておきながら毎度人工衛星だと主張した。人工衛星を宇宙に打ち上げる宇宙発射体(SLV)は、機体と推進機関がミサイルと同じで誘導調整装備も似ている。ロケットに弾頭が搭載できるか衛星が搭載できるかの違いだけだ。
国連安全保障理事会はこれまで、北朝鮮の3度の核実験と5度の弾道ミサイル発射を糾弾する対北朝鮮決議案を何度も採択した。国連の相次ぐ制裁にもかかわらず北朝鮮が持ちこたえたのは、中国の助けが大きかった。中国が北朝鮮の核とミサイルに本当に反対するなら、今は北朝鮮に圧力をかけなければならない。国際社会が結束して北朝鮮の挑発に対抗する時、金第1書記の挑発を抑制できる。