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資本主義の時代、あなたの恋愛はいかがですか

資本主義の時代、あなたの恋愛はいかがですか

Posted September. 19, 2015 07:06,   

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デートは「男女が家の外で会って、暇をつぶしながら親密な交際をする行為」と定義づけることができる。ここでキーワードとなるのは「家の外」だ。

しかしデートという単語は、20世紀初めまでは家の外で行われる売買春を意味していた。当時の恋愛スタイルは、男性が女性の自宅を直接訪れ、丁寧にお互いの気持ちを確認し合うことだった。しかし、自宅に男性をもてなす空間のない、貧しい下層民には考えすらできないことだった。ところが、資本主義の発達で、1920年代に劇場やカフェ、遊園地などが登場するにつれ、引かれ合った男女が外で待ち合わせして時間を過ごすことが頻繁になり、これがデートとなった。デートは単に男女が一緒にいることに止まらず、積極的な消費行為を意味していた。

デート代は、男性が払うのが当然視されていた。女性の経済力が弱かった点と、金で歓心を買おうとする男性の強がりが重なった結果だ。女性の経済力が男性並みに強くなった最近でも、そのようなしきたりは簡単に消えずにいる。

そこで著者は、贅沢と見せびらかしが基本要件となっているデートは、資本主義・交換経済の産物としている。「男性がデート代を払う代わりに、女性は男性の権力を承認した」というのが、著者の主張だ。

この本は1920年から1965年までのデート制度に対する研究書だ。初めて会ってデートをした男女が、すぐに肉体関係を持つケースもある昨今、20世紀前半の米国の「結婚奨励運動」などを取り扱った内容には、多少の違和感を感じるかもしれない。しかしこの本は、デートの歴史としきたり、男女の権力関係、消費行為などを考察することで、私たちが当たり前のように受け入れていたデートを、新しい視点から見つめ直させる。私たちが愛の最も美しい方式と考えていたデートを、しきたりや資本主義に縛られた関係の一つの形として認識すれば、世の中が索漠としたものに映るかもしれないのだが。



suhchoi@donga.com