日本の政権与党の自民党が、安倍晋三首相直属の歴史認識検証委員会を設置し、太平洋戦争の戦犯を断罪した極東軍事裁判(東京裁判)を再評価する考えだ。東京裁判は、米国を中心とする連合国が真珠湾攻撃の責任者である東条英機元首相など7人に死刑を宣告した戦後処理裁判だ。安倍首相の母方の祖父である岸信介氏も戦犯として起訴されたが、戦争拡大に反対したという理由で釈放された。自民党が結党60年を迎え、日清戦争・日露戦争以降の歴史の「検証」に入れば、このような戦争責任も覆される可能性が高い。
安倍首相が主導する日本の歴史修正主義は、太平洋戦争など日本が起こした戦争の責任を否定することが核心だ。安倍政権後、日本の右翼勢力は戦後体制が米国の強要による屈辱的なものだとし、「普通の国」に生まれ変わるために戦犯に対する見解の修正と改憲が必要だと主張した。安倍首相は2013年にも、「東京裁判は連合軍が勝者の判断によって断罪した」と発言し、東京裁判の結果を否定している。
自民党が委員会という曖昧な組織を作って研究結果は発表しない方針だが、検証の意図が何かは明らかだ。安倍政府は慰安婦動員の日本軍の責任を認めた1993年の河野談話を検証した後、「日本と韓国の政治的妥協によって談話に『軍の要請を受けた業者』という表現が入った」と事実と異なる主張を掲げ、慰安婦動員の責任を否定した。東京裁判の検証も、戦争責任を否定し、「戦争放棄」を規定した平和憲法改正の踏み台にする可能性が高い。
日本が強いて東京裁判を検証するのなら、正しくしなければならない。米国は、敗戦国の統治を容易にするために天皇を守りたい日本の支配層と野合し、戦争の最終責任者である天皇を起訴の対象から外した。天皇が罪を免れたため日本の国民も責任を負うべき必要がないという認識が、日本の歴史わい曲の出発点である。
日本は、東京裁判の結果を受け入れることを条件に、連合国とサンフランシスコ講和条約を結び、国際社会の一員に復帰した。東京裁判の検証は、戦勝国米国に対する挑戦であり、戦後秩序と体制まで思いのままに改造するという野心の表れに相違ない。日本が「過去を越えて未来に向かう不動の同盟」と誇示した日米同盟を信じて自由民主主義と法の支配、人権などの価値を否定する場合、米国は当事者として強く警告し、ブレーキをかけなければならない。