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[オピニオン]古強者の東京大勝利

Posted November. 21, 2015 08:57,   

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野球界には「アゲイン1982」というスローガンがある。野球ファンなら1982年にソウル蚕室(チャムシル)野球場で行われた世界野球選手権決勝戦の韓日戦を忘れることができない。7回まで0−2でリードされていた韓国は8回表に金在博(キム・ジェバク)の「ジャンプ・スクィーズ」で同点に追いついた後、韓大化(ハン・デファ)が逆転の3ラン本塁打を放ち、5−2の勝利にけん引した。一昨日、日本東京ドームで行われたプレミア12の準決勝、韓日戦で韓国が挙げた9回での逆転勝ちの感激も、決して、あのときのものに負けない。

◆今年初めて開催された野球の国家対抗戦「プレミア12」は、従来のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)とは違い、米メジャーリーガーが出場しない中、世界ランキング上位12の国と地域が争う国際大会だ。米国代表はマイナーリーグ選手が殆どだ。主催側の日本が、自分たちが優勝するように作られた大会だとも言われている。しかし、今年の日本シリーズで韓国人選手では初めてMVPに選出された李大浩(イ・デホ)が逆転の2点適時打を放つと、日本プロ野球のメッカ、東京ドームは冷や水を差したかのように沈黙に包まれた。

◆韓国のあるネットユーザーが、「野球を、なぜ人生だと言うのかが分かった。この試合は、本当に終わるまで諦めてはならないという教訓を与えたスポーツ以上のドラマだ。苦しい境遇にいる人たちは、この試合を見て希望を持ってもらいたい」と書き込んだ。筆者は、8回裏の0−3でリードされながら、9回表が始まろうとする瞬間、友人たちと一緒にあるビヤホールに入った。店内は一瞬にして熱狂の釜山社稷(プサン・サジク)球場のように盛り上がった。青年たちが「ヘルチョソン(地獄の韓国)」と自嘲する憂鬱な雰囲気を、久しぶりに吹き飛ばす瞬間だった。

◆韓国代表は、過去最悪の状況の中あでスタートした。短期決戦では絶対的に重要な投手陣は、賭博疑惑などの影響で最弱だった。日本は、韓国が台湾と日本を行き来するよう日程を組んだ上、準決勝の日程を突然繰り上げた。しかし、国際大会を采配した経験が豊富な金寅植(キム・インシク)監督は、日本の小細工にも揺れなかった。韓国選手たちは兵役の特典があるわけでもない同大会で闘志を燃やした。「野球は9回から」であることを体験で知る古強者が最後まで諦めないのに、誰が諦めようか。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com