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[社説]揺れる北朝鮮の海外エリート、強力な制裁の効力発揮

[社説]揺れる北朝鮮の海外エリート、強力な制裁の効力発揮

Posted April. 11, 2016 07:24,   

Updated April. 11, 2016 07:32

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北朝鮮が中国で運営するレストランの支配人と従業員13人が韓国に脱出し、「外貨稼ぎ」の北朝鮮エリートが大きく動揺していることが分かった。国際社会の北朝鮮制裁により、北朝鮮が海外公館縮小の動きを見せると、一部の駐在員は粛清を恐れて海外や韓国への亡命を打診している。昨年5月、アフリカ国家に駐在する中堅外交官一家4人が韓国に亡命したのに続き、今年3月の北朝鮮制裁後、アジア国家の北朝鮮駐在員が亡命の意思を明らかにしたという。統一部が、「今回のようなケースが今後さらに発生する可能性を排除できない」と明らかにしたのも、このような状況を反映する。

北朝鮮体制は、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記を頂点に、金第1書記と連帯意識を共有した党・政・軍のエリートの運命共同体と言っても過言ではない。閉鎖社会である北朝鮮は、海外派遣でも出身成分の良い党・政・軍のエリート家族を主に送り出す。しかし、海外に出た外交官や駐在員は、開放体制や韓国に関する情報にリアルタイムで接し、時間が経てば経つほど心理的に動揺するほかない。今回のレストラン従業員の韓国行きも、北朝鮮内部に伝えられる場合、衝撃と波紋は決して小さくないだろう。

北朝鮮制裁の徹底した履行を誓った中国の態度変化も注目される。北朝鮮レストランの従業員は、5日、中国浙江省寧波市にあるレストラン「リュギョン」を抜け出し、翌日、東南アジアの第3国を経て、7日にソウルに来たという。北朝鮮のパスポートを持っており、飛行機のチケット購入などに困難はなかったとしても、中国当局の黙認や協力がなかったなら、速かに韓国に来ることは容易ではなかっただろう。

北朝鮮の4度目の核実験と長距離ミサイル発射に激昂した中国が、一種の警告をしたという観測も流れている。朝鮮総連機関紙「朝鮮新報」が9日、「中国の変節を指摘する声がある」と非難したのは、中国の北朝鮮制裁への参加後、中朝関係が以前と同じではないことを証明する。中国が脱北者に対する北朝鮮への強制送還を止め、今回のように自由意思を尊重して韓国行きを許容する場合、北朝鮮体制には致命打にならざるを得ない。

金第1書記が、核とミサイルを放棄しなければ体制維持が不可能だということを悟るまで、制裁と圧迫をさらに強化することに、中国を含む国際社会が力を結集しなければならない。それが正しい方向であることが今回立証された。



한기흥기자 ハン・ギフン記者 eligius@donga.com