●左腕のサイドアームが珍しいわけとは
イム・ヒョンジュンが登場する以前も、左腕のサイドアーム投手は極めて少数派でした。プロ野球の歴史を通しても、斗山(トゥサン)のキム・チャンフン(31)とサンバンウル、三星で選手生活をしたチェ・ハンリム(45)くらいが1軍のマウンドに足跡を残しているだけです。左腕のサイドアーム投手が、こんなに珍しくなったのはどうしてでしょうか。
最大の理由は、サイドアーム投手は反対側の打者に弱いからです。2013~2015年のプロ野球で、右腕のサイドアーム投手は右打ち打者をOPS(出塁率+長打率).745で仕留めたが、左打ち打者には.831と弱かった。通算OPSを基準にすれば、ハンファのイ・ソンヨル(32)がネクセンのチェ・テイン(34)に変るほどの水準なのです。
同様の脈絡から、左腕サイドアームは右打ち打者に弱いことが推論できます。あまりにも好成績なので非の打ち所がないのですが、キム・チャンフンの2012年の記録を見ても分かります。左打ち打者は同年、キム・チャンフンを相手に打率.097(31打数3安打)に止まりましたが、右打ち打者はその倍近い.176(34打数6安打)記録しました。
また、野球界には右打ちより左打ちの方が多数派です。当然ながら、右腕のサイドアーム投手が左打ち打者を相手する場面より、左腕サイドアーム投手が右打ち打者にボールを投げる場面の方が多いはずです。だから、右腕のサイドアームより左腕サイドアームの方が不利なのです。
●左腕全盛時代
ところで、私は左腕サイドアームがもう少し増えても良いのではないかと考えたりしています。左打ちが実に多くなったからです。昨年、プロ野球の全打席の40.1%を左打ち打者が立ちました。この割合が40%を超えたのはプロ野球34年の歴史の中で初めてのことでした。プロ元年(1982年)には13.4%に過ぎなかったのです。
これだけの左腕全盛時代が訪れたのは、「作られた」左打ち打者が大きく増えたからです。右手で投げて打席では左手で打つ右投げ左打ちが増えたのです。20年前の1996年には、右投げ左打ちは 全プロ野球選手476人のうち10人(2.1%)に過ぎませんでした。2005年には21人(4.4%)と倍以上に増えました。今年は86人(14%)です。
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