かもめは、女優のアルカ―ジナと彼の恋人である小説家のトリゴーリン、アルカ―ジナの息子であるコスチャと彼の恋人であるニーナのすれ違った三角関係を描いている。この作品で、李慧英はアルカ―ジナの役を演じる。2012年に演劇「ヘッダ・ガブラー」で東亜(トンア)演劇賞・演技賞を受賞してから4年ぶりの舞台復帰となる。
演劇界では、彼女に数回にわたって「ラブコール」を送ってきた。4年前に、13年ぶりに演劇舞台に立ったヘッダ・ガブラーは、明洞(ミョンドン)芸術劇場側が3度も訪ねて提案した。今回の悪品も、4度目の拒絶の末、彼女が出演を決心したという噂だ。
「ヘッダ・ガブラーの時には、明洞芸術劇場側から、『李慧英氏が出演しないと、我々はこの作品を舞台の上せない』と言われました。今回の作品は、国立劇団の金潤哲(キム・ユンチョル)芸術監督からこう言われましたよ。演劇界で女優として存在感を示すためには、かもめのアルカ―ジナを必ず演じなければならない。あなたは舞台がよく似合っていると。その言葉にまた騙されましたね。ホホ」
李慧英がかもめの脚本に初めて接したのは、演出家であるキム・グァンリムのおかげだった。「1994年、俳優の劉五性(ユ・オソン)氏と一緒にキム・グァンリム演出の演劇『家』という作品に出演していた時のことです。キム演出が、かもめの4幕のニーナの独白を、私のセリフとして劇の中に入れましたね。これを機に、かもめの脚本をもらって読んだけど、読み始めてからすぐにベッドで泣きじゃくりました。感動したから」
その後、何度も彼女にかもめへの出演依頼が入ってきた。しかし、すべてがニーナではなく、別の役柄だったので、そのつど断った。「ところが、私もそろそろ年なのか…。今回またもや出演依頼を受けて脚本を読んだが、アルカ―ジナにばかり目が留まりましたね。母親で女優として、アルカ―ジナの置かれた状況などにさらに打ち込むようになりましたね」
演劇「かもめ」のポスターは、貴族風のドレスをまとった彼女の姿だけを映していると言っても過言ではない。その後、男子役者の姿が含まれたりはしたが、カリスマを持つ李慧英の姿しか目に入らない。4年前のヘッダ・ガブラーのポスターも、このように、李慧英の一人移しの写真を使った。
李慧英は、「ヘッダ・ガブラーのポスターは強烈なカリスマを表しているなら、かもめのポスターには、優雅で魅惑的な魅力が盛り込まれているので気に入る」と話した。完璧なアルカ―ジナを作りたいというのが氏の誓だ。「これまでかもめをご覧になった方々は多いだろうが、李慧英が演じるかもめは、また新しい感じがするでしょう」。公演は29日まで、明洞芸術劇場。入場料は2万〜5万ウォン。お問い合わせは1644-2003まで。
김정은기자 キム・ジョンウン記者 kimje@donga.com