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[オピニオン]「カカオトーク刑務所」禁止法

[オピニオン]「カカオトーク刑務所」禁止法

Posted June. 24, 2016 07:21,   

Updated June. 24, 2016 08:38

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LGユープラスの権暎壽(クォン・ヨンス)副会長は先月1日、「絶対してはならないこと」という社内マニュアルを作って、営業組織で実施するように指示した。夜10時以降に職員に業務上のカカオトークを送ったり、休日に業務指示を出すことを禁止する内容が柱となっている。それを違反する上司は役職から外される。三星(サムスン)SDIも退社後や週末はメッセンジャーの使用を自粛すべきだというキャンペーンを繰り広げている。メッセンジャーのチャットルームでの返信や確認が遅いことを理由に、上司が部下を叱れば処分を受ける。

◆スマートフォンの普及やメッセンジャーの使用拡大で、「スマートワーク時代」が開かれたが、その副作用も少なくない。多くのサラリーマンが上司のカカオトークによる指示確認のため、退社後もスマートフォンを手放せず、ストレスに苦しんでいる。そのため、「カカオトーク刑務所」という言葉まで取りざたされているほどだ。韓国労働社会研究所は、会社員の86.1%が退社後もスマートフォンで仕事をし、これによる超過労働時間が一日平均1.44時間、週11.3時間というアンケート結果をまとめた。

◆最大野党「共に民主党」の辛京珉(シン・ギョンミン)議員は、退社後に電話や携帯メールで業務指示ができないよう、労働基準法の改正案(退社後のカカオトーク禁止法)を代表発議した。労働者たちのプライバシー保護という趣旨は分かる。しかし、こんなことまで法で規制しようとする法万能主義の発想に舌打ちせざるを得ない。例えば、韓国と昼夜が逆になっている海外で、急を要する連絡が来ているのに、担当職員が退社したことを理由に返信を遅らせる組織なら、むしろ営業をやめた方がいい。

◆「退社後の業務上カカオトーク禁止法」は、過剰立法に当たるが、だからといって、「カカオトーク刑務所」を放置するわけにもいかない。退社後、上司は不要不急の業務指示を自粛し、必ず連絡しなければならない時は、「今どこにいるの」などの相手を困らせる質問は謹んで、要点だけを伝える必要がある。本当に急を要することなら、携帯メールの代わりに、電話を掛けるのが不要な誤解を減らすことができる。まず、上司が部下のプライバシーを尊重し、企業はこのような空気を作らなければならない。配慮の組織文化が広がってこそ、退社後の業務を巡る対立も減らすことができる。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com