ジュリアーニ氏は先月26日、「(ビル・クリントン前大統領の不倫スキャンダル当時)ヒラリー氏は夫の肩を持った」とし、「(不倫の事実を知らなかったなら)大統領になるにはあまりにも間抜けだ」とクリントン氏のプライバシーを攻撃した。2日にはNBC放送に出演し、司会者が「(浮気の経歴がある)あなたが他人の結婚生活を批判する資格があるのか」と問うと、「(浮気経験は)誰でもある」と言って再び物議を醸した。
ジュリアーニ氏とトランプ氏は30年来の友人だ。しかし、ジュリアーニ氏は昨年12月、トランプ氏のイスラム教徒追放計画に対して「修正憲法第1条違反」だと反対し、今年2月にはトランプ氏がメキシコ人を「強姦犯」と呼んだことに対して「遅れた考え」だと指摘した。
ジュリアーニ氏が、中道保守としてのリーダーシップが最も輝いたのは、9・11テロが起こった直後だった。ジュリアーニ氏はイスラム教徒に対する「ヘイト・クライム(憎悪犯罪)」を憂慮し、「私たちは狂気とおぞましい憎悪と戦っている」と言って事態を収拾し、2001年のタイムズ誌の「今年の人物」にも選ばれた。
このジュリアーニ氏が、極右に近いトランプ氏のために変身した姿に米誌「ニューヨーカー」のジェラニー・コブ氏は8月、「説明し難い。ジュリアーニ氏のぞっとする最後の舞台」と指摘した。再選を考えなければならない現役政治家でもないジュリアーニ氏が、突然、外国人憎悪者の肩を持ったからだ。
米紙ワシントンポストは8月、「ジュリアーニ氏が17年前に頭の中で想像したクリントン氏との対決をついに行っている」と分析した。2000年にニューヨーク州連邦上院議員に挑戦し、クリントン氏との対決を目前にしていたが、前立腺がんの診断を受けて辞任したジュリアーニ氏が、「個人的感情で聖域のない攻撃に出た」ということだ。当時、ジュリアーニ氏は、「議員になることよりクリントン氏に勝つことで得られる名声に関心がある」と言われるほど強い勝負欲を示した。
한기재기자 ハン・ギジェ記者 record@donga.com