Go to contents

北朝鮮ICBM、米国照準時は「米軍の韓国支援」に影響

北朝鮮ICBM、米国照準時は「米軍の韓国支援」に影響

Posted October. 18, 2016 09:25,   

Updated October. 18, 2016 09:27

한국어

北朝鮮の核開発の最終目標が米本土に対する核攻撃能力の確保ということに専門家の間で意見の相違はない。北朝鮮がこの20年余りの間、核の小型化と大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の長距離ミサイル開発に執着してきた理由だ。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は先月、ICBM級新型ロケットエンジンの性能実験を視察した。軍関係者は17日、「金委員長は米本土を攻撃できるICBMを対米核ゲームの『ジョーカー』と見ている」と話した。戦略・戦術的に米国を圧迫できる最高のカードと考えているということだ。

北朝鮮は、核搭載ICBMを核保有国の隊列に参加する鍵と見ている。核弾頭を搭載したICBMは使用するかどうかは別にして、それだけで「核強国」の象徴になるためだ。実際に核搭載ICBMを保有する国は5大核保有国(米国、ロシア、中国、英国、フランス)しかない。また、米本土まで飛ぶ核搭載ICBMを実践配備すれば、国際社会がもはや打つ手がないと見ており、インドやパキスタンのように「事実上の核保有国」に認められるという計算もあるようだ。

 

国防部関係者は、「北朝鮮は『事実上の核保有国』に認められた後、米国と核軍縮交渉を行い、核凍結の見返りに外交・経済的実益を最大化する手順を踏むだろう」と指摘した。これを通じて金正恩体制の強化と対米・対南核交渉の持続的な主導権の確保を狙うものとみられる。

 

核搭載ICBMは、米国の対韓拡大抑止(Extended Deterrence)を阻止する強力な手段でもある。米国は、北朝鮮が韓国を核攻撃すれば、米本土に対する攻撃と見なして核と通常戦力を総動員して報復する方針を明らかにしている。しかし、北朝鮮の核搭載ICBMがワシントンやニューヨークに照準を合わせる場合、このような拡大抑止公約が守られるか疑わしい。軍関係者は、「金委員長は、増幅核分裂弾や水素爆弾など一発で都市を焦土化する強力な核弾頭をICBMに搭載して米国の拡大抑止を無力化することに血眼になっているだろう」と指摘した。

 

北朝鮮は、核兵器を実践配備した後、さらに大胆で強力な局地的挑発を強行するとみえる。たとえば白翎(ペクリョン)島など北西島嶼や最前方要衝地を奇襲占領し、核攻撃警告で韓国軍の反撃を封じ込め、休戦ラインの再画定などを要求するシナリオが挙げられる。韓国軍が反撃する場合、人口密集地域の上水源などに爆薬に放射能物質を混ぜた「汚い爆弾(dirty bomb)」を落として汚染させる可能性も排除できない。

さらに、開戦初期、米国の増援戦力のルートである韓国内の主要な港と飛行場を核ミサイルで攻撃したり、戦争終盤に韓米連合軍の反撃で政権が存立危機に直面したりした場合、窮余の策としてソウルをはじめ首都圏に核攻撃をする可能性もある。軍当局者は、「北朝鮮の核は体制維持用の脅迫手段ではなく実戦使用を念頭に置いた現実的な脅威と見て、徹底した備えが必要だ」と強調した。