国内投資銀行(IB)業界が、ドイツ不動産ショッピングに積極的に乗り出している。
30日、IB業界によると、韓国(ハングク)投資証券や三星(サムスン)証券、メリッツ総合金融証券などが次々と、ドイツの主要拠点となる不動産買収に乗り出している。韓国投資証券は年内に、ドイツのフランクフルトにある国際ビジネスキャンパス(IBC)ビルを買収する計画であり、詰めの作業を行っている。三星証券や三星SRA資産運用も、ドイツ最高層ビルであるフランクフルト・コメルツバンクタワーを9000億ウォンで買収することを決め、交渉を行っている。メリッツ総合金融証券は、国内複数の機機関資家と手を組んで、先月、ドイツ・ボンにあるドイツテレコム本社ビルを2億1340万ユーロ(約2667億ウォン)で買収する本契約を交わした。
国内IB業界におけるドイツ不動産投資行列は、当面続くものとみられる。契約に参加したメリッツ証券の関係者は、「ブレグジット(英国の欧州離脱)後、欧州大陸内に入り込もうとするグローバル企業が増えている」といい、「今後、ドイツ内のオフィスビル1、2か所をさらに買収するために探している」と明らかにした。
ドイツ・オフィス投資における最大のメリットはユーロ安だ。2014年3月は1ユーロ=1500ウォンに迫っていた対ユーロ・ウォン相場が、2015年4月は1ユーロ=1169ウォンまでウォン高ユーロ安が進み、その後、乱高下を繰り返した後、今月28日は1ユーロ=1250ウォンで取引を終えた。とある証券会社のIB担当役員は、「ユーロ安が進んだため、ウォンをユーロに両替して現地入りする時は、ヘッジコストにおいてかえって1.5%ほどのプレミアム適用を受けている」と語った。例えば、ドイツ現地で不動産賃借の収益率が5%なら、これをウォンに切り替える時は、プレミアム1.5%を含む6.5%の収益が発生するという。
先順位で受ける現地の融資金利が低いことも、ドイツ不動産の強みと言われている。国内金融会社各社がドイツのオフィスビルを購入する際、全額現金で決済することはほとんどない。大半の場合は、全体購入金の50~60%を現地で融資を受けているが、この時の金利は0.9%に過ぎない。米国が3~5%であることに比べれば相当低い方であり、収益率を高める効果が期待できる。ドイツ主要都市内に位置している大型オフィスビルの場合、10年以上も長期間借りる企業が相当多いことも魅力となっている。
ただ、最近、国内金融会社各社が欧州不動産価格の上昇期に、「高額」で買わされるのではないかという懸念が出ている。とある不動産専門家は、「2008年の金融危機やその前に欧州不動産を購入した海外投資家らが抜け出しているのに、国内IB業界がその物量を買っている」と警告している。世界的超低金利の状況が変われば、収益率が悪化しかねないという声も出ている。
한정연기자 ハン・ジョンヨン記者 pressA@donga.com