自ら振り返り、明るく笑った。23日、ソウル錦湖(クムホ)アートホールで会ったヴィオリストのキム・サラ氏(29)は、7年前の2010年までヴァオリニストとして活動した。
7歳の時、親のすすめでヴァイオリンを手に取った。天賦の素質を見せ、ロシア・モスクワのグネーシン音楽アカデミーを経て、2006年にドイツのハンスアイスラー音楽大学に入学した。
「ロシアで小・中・高校に通っていた時は上手いと言われました。外国人である私に多くの共演依頼が来ました。有名な室内楽団でヴァイオリンの首席奏者になる夢を見ました」
意気揚揚だったキム氏だったが、大学に行くと優秀な音楽家が多く、衝撃を受けた。ヴァオリニストとしての将来に懐疑を抱いた。この時、ヴィオラが疲れたキム氏の手を取ってくれた。
「楽器によって合う性格があるようです。私はおっとりしている方です。ヴァイオリンの高くて鋭い音色が私とは合わなかったんです。学校の倉庫に眠っていたヴィオラを借りて演奏してみて『これが私の楽器だ』という気がしました」
2010年3月、キム氏はヴィオラに転向した。3ヵ月後、自分の選択が正しいかテストするために出場した国際コンクールで1位になった。ヴァオリニストとして一度もなれなかった1位だった。
「ヴィオリストとして出場したドイツのメンデルスゾーンコンクール(2015年)など8つの国際コンクールで6度も1位になった。今は、時々ヴァイオリンを弾くと、ヴィオラの音色とビブラートが出るほどヴィオリストになりました」
キム氏は、ドイツで最高クラスの演奏団体であるブラウンシュヴァイク州立管弦楽団の終身首席団員として2014年から活動している。昨年には韓国人のヴィオリニストとして初めてドイツのバイロイト祝祭管弦楽団に団員として入団した。バイロイトに立った韓国人演奏者はヴァオリニストのキム・ミン氏(引退)だけだ。
「実力も実力ですが、団員が信頼できる演奏者を2人以上の団員の推薦によって選びます。オーディションもありません。幸い、私と一緒に演奏したり私のことを評価してくれるヴィオリストが推薦してくれて、昨年舞台に立ちました。来年のバイロイトにも招待されました」
キム氏は2月2日、錦湖アートホールで「ライジングスターシリーズ」でリサイタルを行う。韓国での初の独奏会だ。
「6歳の時にロシアに家族が渡ったので、ロシアとドイツだけで活動し、韓国で演奏する機会がほとんどありませんでした。独奏会をヴィオリスト、キム・サラと私の音楽を全て紹介する舞台にしたいです。私にとって新たな始まりです」
金東昱 creating@donga.com