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「大統領の戯画化は伝統」 SNLを批判したトランプ氏に逆風

「大統領の戯画化は伝統」 SNLを批判したトランプ氏に逆風

Posted February. 11, 2017 08:45,   

Updated February. 11, 2017 08:47

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「間違いだ(Wrong)、間違いだ、間違いだ」

米大統領選1ヵ月前の昨年10月、NBCの人気コメディ番組「SNL」には、当時共和党大統領候補だったドナルド・トランプ氏と同じ姿の人物が登場した。特有の口ぶりと相手の話を遮るテレビ討論会の態度まで。誰か見てもトランプ氏だったが、実際はハリウッドの有名俳優エリック・ボールドウィンが扮していた。

機転の利いた風刺で終わるかと思われたが、放送後論議が大きくなった。トランプ氏が当選者だった昨年12月、自身のソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)のツイッターに、「SNLは完全に偏向し、面白くもない。視聴できないレベルだ」と酷評したためだ。しかし、米社会はむしろ風刺を受け入れられないトランプ氏を批判した。当時ワシントン・ポストは、「SNLは大統領を戯画化する伝統がある。しかしSNLを嘲弄した大統領はトランプ氏が初めてだろう」と皮肉った。

このように米国では政治風刺を扱った番組が大衆文化の一軸に位置して久しい。1999年から放送されているジョン・スチュワートの「ザ・デイリー・ショー」。米国の政治家をスタジオに呼んで風刺するこの番組の主な出演者はオバマ前大統領とヒラリー・クリントン前国務長官など有名政治家だ。不快に思うかもしれないが、米政治家が出演したい番組1位に挙げられる。

米国だけではない。民主主義が成熟した欧米社会では、辛らつな政治風刺を扱った番組が多い。

「寛容の国」フランスでは、キャナル・プリュス放送の政治風刺番組「レ・ギニョール・ド・ランフォ」が代表的だ。政治家を操り人形で表現して辛らつな風刺をし、フランス政界では悪名高い番組だ。

しかし、2015年7月放送局が番組の放映終了を伝えると、シラク元大統領から一般市民までフランス全域で「放映終了反対」世論が沸き起こった。

当時、フランス下院議長のクロード・バルトローヌ氏も、「標的になった政治家は気分の良いものではなかったが、フランスのニュースと政治論評を輝かせた」とし、「レ・ギニョール・ド・ランフォ」へ支持を送った。結局、放映終了は取り消しになり、現在もフランス国民に愛される風刺番組として残っている。

大衆文化評論家のキム・ウンギョン氏は、「コメディも広く見れば言論の一領域であり表現の自由が何より重要なところだ」とし、「政治と言論の独立性が高い国家であればあるほど風刺のレベルが高いという点に注目しなければならない」と指摘した。



柳原模 onemore@donga.com