中国の高高度ミサイル防衛システム(THAAD)を巡る報復措置により、中国人の団体観光客は減少したものの、年明けから先月までの全体外国人観光客はむしろ増加したことが分かった。日本と東南アジアからの観光客がその空白を埋めたためだ。しかし3月以降は、中国人観光客減少の衝撃が一段と大きくなっており、対策作りが急がれるという指摘が出ている。
5日、文化体育観光部(文体部)は、今年第1四半期(1~3月)に韓国を訪れた外国人観光客は371万9000人で、前年同期比3.2%増加したと暫定集計値を明らかにした。中国人は152万8000人で前年同期比9.1%減少したが、非中国人観光客がその空席を埋め合わせた。日本人は61万4000人訪問して前年同期比21.5%増加し、△香港や台湾などの中華圏(13.4%)、△アジア(タイ、ベトナム、シンガポールなど)・中東(12.7%)、△米州・欧州(8.6%)などもたくさん増えた。
当初懸念していたよりは善戦したものの、安心するにはまだ早い。中国のTHAAD報復措置が本格化した先月だけを見れば、中国人観光客は39.4%も減少した。中華圏(2.5%)とアジア・中東(9.8%)観光客増加も伸び悩んでいる。
これにより、政府は、非中国人観光客誘致に積極的に乗り出す計画だ。文体部は今月8日と9日に、ベトナムのハノイで韓・ベトナム国交25周年を記念して「韓国文化観光大典」を開く。続いて、△27~30日にシンガポール、△5月に日本の東京、△8月に英ロンドン、△9月にカザフスタンのアルマティ、△10月に米ニューヨーク、△11月にインドのニューデリーなどで観光客誘致行事を開催する。7月から海外広告も大々的に実施する計画だ。
またタイ語やベトナム語、マレーインドネシア語、アラビア語の4つの言語観光通訳案内士試験の合格基準を緩和したのに続き、移住者の観光通訳案内士資格取得も支援する予定だ。また、△ご褒美(インセンティブ)観光支援の拡大、△非中国適合型商品開発、△海外での「コリアフェスタ」の新設なども推進する計画だ。
文体部の黄星雲(ファン・ソンウン)国際観光政策官は、「中国外市場で今年200万人を追加誘致し、中国発の衝撃を最小限に抑えたい」と話した。
金宰永 redfoot@donga.com