その朴城炫が赤いシャツを着て初めて優勝トロフィーを掲げた。しかも、LPGAツアー史上初の韓国勢5戦連続優勝という偉業まで達成した。「ナムダラ(並外れの意味)」と言う異名通り並々ならぬ瞬間だった。
28日、カナダのオタワハントGC(パー71)で開かれたカナディアンパシフィックオープンがその舞台だった。4打差の12位タイで最終ラウンドをスタートし、7アンダーを叩き出し通算13アンダーで2位イ・ミリム(27)を2打差でかわした。
大会期間、朴城炫はインスタグラムに2005年のマスターズで赤いシャツを着て歓呼するタイガー・ウッズの写真とともに「見てみたい、あなたの姿」というコメントを投稿した。
最終日に、「赤い恐怖」と言われながら相手を圧倒した全盛期のウッズが憑依したのだろうか。この日、ボギーなしに7バーディーを決めた朴城炫は、「優勝は全然期待しなかった。だから、いつもうまく行かなかったときに着ていた赤いシャツを着たのかもしれない。気持ちを楽にしてプレーしたら、むしろうまくいった」と笑顔で話した。
朴城炫の優勝で韓国勢は先月の全米女子オープン(朴城炫)を皮切りにマラソンクラシック(キム・インギョン)、レディススコティッシュオープン(イ・ミヒャン)、全英女子オープン(キム・インギョン)に次いで5戦連続優勝という大記録を打ち立てた。これまで韓国勢の4戦連続優勝は今年と2015年など4度あった。LPGAツアーでの5連続優勝はナンシー・ロペス(米国)とアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)が記録したことがある。当時の5連勝は特定選手一人が打ち立てたものだが、今回の韓国勢の5連勝は複数の選手が交互に記録した。それだけ実力のある韓国人選手が多いことを示す証拠だ。
朴城炫は、「韓国の選手たちは本当に凄いと思う。(笑)自分が5連勝を飾る主役になれたのは光栄だ」と話した。
韓国勢の5連勝のうち4勝は逆転優勝だった。イ・ミヒャンは今季最多となる6打差の劣勢を巻き返した。逆転優勝した4人の最終日の平均スコアは6.5アンダー。普通、最終日はコースを最も高い難度で設定するが、諦めを知らない韓国勢は高度の集中力でスコアを伸ばした。「全てが調和した」という言葉通り、この日、朴城炫は268ヤードの長打を飛ばしながらもフェアウェイキープ率とパーオン率が全て85%に迫り、パット数は28に抑えた。
最近韓国勢の好成績をリードしている超大型ルーキーの朴城炫は、事実上新人王を固めており、賞金ランキングでもトップに躍り出た。LPGAツアーで新人王と賞金王の同時席巻は2009年の申智愛(シン・ジエ)以来いない。朴城炫は平均ストロークと今年の選手部門でも2位につけている。LPGAツアー史上、新人王、今年の選手、平均ストローク賞(ベアトロフィー)を総なめしたのは1978年のナンシー・ロペスだけだ。中学校時代に頂上に立ち、人と違わなければならないという教師の言葉に感銘を受け、自ら「並外れ」というニックネームをつけた朴城炫の視線は、並々ならぬ目標に向かっている。
金鍾錫 kjs0123@donga.com