高麗時代の希少仏画である羅漢図(ブッダの弟子である羅漢を描いた絵)4点が、15日に開幕する東国(トングク)大学博物館の特別展で初めて公開される。特に今回の羅漢図は、江華島(カンファド)に遷都した高麗王室が、1235年、モンゴルの侵略に対抗して強力な抗戦意志を込めた仏画だということで意義深い。高麗の羅漢図は、韓国と日本、米国などにわずか10数点しか残っておらず、文化財としての価値が高い。
東国大学博物館の鄭宇澤(チョン・ウテク)館長は、「個人と三星(サムスン)美術館リウムが所蔵している4点の高麗羅漢図を初めて公開する」とし、「特にこのうち2点は、制作年代と経緯が記録された画記が発見された」と明らかにした。4点のうち3点は図像がお互いに異なる500人の羅漢を一枚ずつ描いた五百羅漢図の一部であり、残りの一点は十六羅漢図だ。
羅漢は仏法を悟って神通力を持った遂行者であり、仏家では一種の守護神として描かれる。実際今回公開される五百羅漢図も、一点から「目の前に迫った敵を早く滅ばせて、国の内外を安らかにさせてください。(中略)乙未年(1235年)10月に隊正(宗9品の高麗武官)金義仁(キム・ウイイン)が棟梁(財政調達などの実務責任)を引き受ける」という記録が確認された。八万大蔵経のように、仏の力に頼ってモンゴル軍の侵略を退けようとした高麗王室の切実な願いが読み取れる。
翌年の丙申年(1236年)に制作された十六羅漢図も、同様に同じ脈絡で描かれたものと見られる。鄭館長は、「計516点に及ぶ五百羅漢図と十六羅漢図を一緒に描くためには、少なくとも10ヶ月以上がかかる」とし、「高麗王室が1235~36年にかけて羅漢図を制作したとみている」と語った。
今回の特別展では、米ホノルル美術館が所蔵している朝鮮時代の「釈迦説法図」も一緒に披露する。釈迦如来を中央に置いて、左右に位置した菩薩、弟子たちを描いたこの絵は、16世紀半ばに描かれた代表的金線描(金粉で線を描いたもの)仏画だ。朝鮮前期の釈迦説法図はわずか4点が知られている。展示は来月8日まで。お問い合わせは02-2260-3722まで。
金相雲 sukim@donga.com