中国が先月、北朝鮮に石油精製品を輸出しなかったことが分かった。北朝鮮に対する石油精製品の輸出量を制限した国連安全保障理事会の制裁決議案を越えた措置と受け止められている。中国政府は公式に独自制裁の存在を認めていないが、中国の消息筋は「安保理の制裁に加えて(独自)制裁をしている」と話した。
27日、ロイター通信が中国海関総署の先月の中朝貿易統計を分析したところによると、中国は先月、ガソリンやディーゼル燃料、ジェット燃料などの石油精製品を北朝鮮に輸出しなかった。揮発油とガソリンは10月に続き2ヵ月連続、公式の輸出額が「ゼロ」だった。ジェット燃料は2015年2月から輸出の実績がない。ロイター通信は、「中国が石油精製品の輸出を完全に中止したのは異例」とし、「安保理制裁を越えた制裁をしていると見ている」と伝えた。ロイター通信は、2003年3月に北朝鮮が東海(トンへ・日本海)にミサイルを発射した後、中国が3日間、石油供給を中止したことも指摘した。国連安保理は9月の北朝鮮の6回目の核実験後、北朝鮮への石油精製品の年間輸出量を450万バレル(今年10~12月は50万バレル)に制限し、今月の北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射後、年間上限ラインを50万バレルに下げた。
中国の消息筋は、「様々な方向で安保理制裁以外で制裁をしている」とし、「中国が非常に責任感を持って国際社会の対北制裁に参加している」と強調した。中国は、北朝鮮と取引する企業全般に対して国内法を違反していないか調査し、違法が明らかになれば逮捕しているほか、国境地帯で中国の通関法を厳しく適用し、中朝貿易そのものを制限している。
中国の北朝鮮への石油精製品輸出の中止は、北朝鮮経済に打撃を与えると見える。外交筋によると、今年の制裁後、平壌(ピョンヤン)の石油価格が一時今年の初めに比べて3倍まで跳ね上がり、最近2倍水準に下がった。
しかし、北朝鮮事情に詳しい消息筋によると、中国は海関の公式統計以外にパイプラインを通じて年間約53~58万トンの原油を北朝鮮に提供している。石油精製品の輸出を中止したからといって、原油供給まで中止されたわけはない。公海上で中朝間の油類の密貿易が行われているという疑惑も依然ある。
中国は、安保理制裁決議によって先月、北朝鮮産の鉄鉱石、石炭、鉛などの輸入を中止した。先月の中朝貿易額は3億8800万ドル(約4060億ウォン)で、昨年同期の6億1320万ドルで比べて36.7%減少した。北朝鮮の対中輸出額(1億18万ドル)は昨年同期より61.8%急減した。
一方、米国は安保理制裁の後続対策として、北朝鮮ミサイルの責任者に対する「標的制裁」も速かに発表した。財務省外国資産管理局(OFAC)は同日、北朝鮮の弾道ミサイル開発の責任者とされる朝鮮労働党軍需産業局の李炳哲(リ・ビョンチョル)副局長とロケット技術者の金正植(キム・ジョンシク)氏を特別指定制裁対象(SDN)リストに上げた。安保理の北朝鮮制裁決議2397号の個人制裁対象の16人にも含まれた彼らは、国防科学院の張昌河(チャン・チャンハ)院長、全日好(チョン・イルホ)党中央委員と共にミサイル責任者とされる。米国務省は2010年に労働党軍需産業局を制裁対象に含めた。
これに関連して、マヌーチン財務長官は、「北朝鮮を孤立させて完全な韓半島の非核化を達成するための最大圧力作戦の一環であり、安保理決議の後続措置だ」と説明した。
尹完準 zeitung@donga.com · 朴湧 parky@donga.com