韓国古代史の宝庫で国内で最も古い歴史書である「三国史記」が国宝に指定される。韓国先史考古学の先駆者であるパルン・孫寶基(ソン・ボギ)延世(ヨンセ)大学教授(1922〜2010)が生前所蔵していた三国遺事も国宝に昇格される。
文化財庁は、「三国史記2件と三国遺事1件を国宝に昇格予告する」と、4日明らかにした。三国史記が国宝に指定されるのは初めてだ。三国遺事はすでに2点が国宝に指定されている。
三国史記は、1145年に金富軾(キム・ブシク、1075〜1151)によって国家主導で編纂され、三国時代の歴史を扱った最古の正史に挙げられている。今回国宝に昇格された宝物第525号の三国史記は、1573年(宣祖6年)に慶州(キョンジュ)府で印刷されて、慶州玉山(オクサン)書院に送ったものだ。高麗時代の原版と朝鮮初期に改刻した版本が混ざっている。
宝物第723号の三国史記は、慶州玉山書院と似たような版本で、印刷当時の原型をほぼそのまま残している。文化財庁は、「三国史記2点は、すべてが9冊で構成された完本だ」とし、「高麗〜朝鮮初期にかけての学術分野の動向と木版印刷の状況を生き生きと把握できる重要資料だ」と評価した。これまで三国史記が国宝に指定されなかった理由について、文化財庁の関係者は、「所蔵者らが国宝指定の申請に積極的でなかったためだ」とし、「所蔵者たちに公文を送って、指定申請を勧告した」と話した。
三国遺事は1281年、高麗僧「一然」(イルヨン、1206〜1289)が古朝鮮から後三国までの歴史と説話をまとめた本である。正史である三国史記にない内容を把握できるという点で、古代史研究の中核史料と評価される。今回国宝に昇格されたパルン所蔵の三国遺事は朝鮮初期版本で、5冊のうち巻1〜2だけが残っているが、現存していない引用文献を確認できるので、歴史的価値が大きい。
金相雲 sukim@donga.com