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トリノ五輪金の荒川静香から羽生結弦まで、フィギュアの産室「野辺山合宿」

トリノ五輪金の荒川静香から羽生結弦まで、フィギュアの産室「野辺山合宿」

Posted January. 09, 2018 10:26,   

Updated January. 09, 2018 11:16

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今季のフィギュアスケートの最強を争う国際スケート連盟(ISU)グランプリファイナル(昨年12月7日~10日)が開かれた日本名古屋の日本ガイシホール(1万席)は熱く盛り上がった。日の丸を手に持った日本の観客は、自国選手が登場する度に大歓声を上げた。日本選手の演技が終わった後は観客席から人形が大量に降り注いだ。大会の関係者は、「エキシビジョンを含めて大会期間の入場券がいち早く売り切れた」と話した。

名古屋は「日本フィギュアの産室」と呼ばれる。かつて日本フィギュアのスーパースターで、金姸児(キム・ヨナ)のライバルだった浅田真央の故郷も名古屋だ。1989年、アジア選手では初めて世界選手権で優勝を果たした伊藤みどりも名古屋出身だ。

日本スケート連盟の関係者は、「名古屋には古くから、冬にプールに水を凍らせてアイスリンクとして使う所が多かった。名古屋など愛知県のリンク場は8個で他の都市より多い」と話した。この関係者は、「フィギュアに接しやすい環境のお陰で、多くのスター選手が生まれた。名古屋は子供からおばあちゃん、おじいちゃんに至るまで皆フィギュアが好きだ」と加えた。

グランプリファイナルを見るために日本ガイシオールを訪れた山田れいこさん(10)はフィギュア選手になるのが夢だと話した。山田さんは「男子シングルの宇野昌磨(21=日本)らの演技を見ながら、必ず野辺山合宿に行くと決めた。世界的な選手になるエリートコースに経験したい」と語った。

「有望株の産室」として知られる野辺山合宿は、日本をフィギュアの新興強豪に導いた原動力だ。野辺山合宿出身の羽生結弦(24)は男子シングルの世界ランキング1位で、宇野昌磨は2位だ。女子シングルは宮原知子(20)が世界5位にランクされている。いずれも平昌冬季五輪の優勝候補だ。日本スケート連盟の小林芳子強化部長(62)は、「日本の全てのフィギュアの有望株たちの夢は野辺山合宿に参加することだ。日本フィギュアの力は、こうした育成システムから出る」と説明した。

日本は有力な五輪金メダル候補だった伊藤みどりが1992年のアルベールビル冬季五輪で銀メダルに止まった悔しさを残したことを受け、強化策を練り上げた。スター選手一人に金メダルの重圧感を与えてはならなく、子供のときから競争力のある複数の選手を世界トップクラスに育ててこそ、金メダルを狙えるというものだ。

このために日本スケート連盟は1992年の夏から長野県野辺山強化センターに全国から選考会を勝ち抜いた有望株(8~12歳)60人あまりを招集し、3泊4日間の合宿トレーニングを実施してきた。この合宿で、有望株たちは五輪メダリストなどの話を聞く。また、基礎体力、瞬発力、敏捷性などに対して厳しい評価を受ける。小林部長は、「合宿ではバレエ、瞑想、演技など多様な教育を通じて子供たちの表現力を鍛えさせる。また選手たちが、私たちの指導したことをどれだけ早く身につけるのかを評価する」と話した。

合宿を通じて選ばれた有望株たちは、連盟の徹底した管理を受ける。国際大会に派遣され、競争力を高め、自身より高い年齢層の選手たちと合宿しながら、厳しい競争を通じて技量を成長させる。また、連盟は有望株たちに世界的なコーチもつける。日本スケート連盟広報チームの関係者は、「野辺山合宿を始めてから14年目になる2006年のトリノ五輪で合宿2期生の荒川静香が女子シングルで金メダルを獲得した」と話した。その上で「平昌五輪でも野辺山合宿出身の羽生らが体系的なシステムの強みをもう一度証明してくれることを望んでいる」と期待を示した。



鄭允喆 trigger@donga.com