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「信賞必罰も選手とのコミュニケーション能力が重要」 元国宝級投手の宣銅烈氏が語るリーダー論

「信賞必罰も選手とのコミュニケーション能力が重要」 元国宝級投手の宣銅烈氏が語るリーダー論

Posted February. 24, 2018 09:14,   

Updated February. 24, 2018 09:14

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宣銅烈(ソン・ドンヨル)野球代表監督(55)は、現役時代に「国宝級投手」と呼ばれた。1985年から95年まで通算146勝(40敗)132セーブを記録し、防御率は1.20に過ぎなかった。毎回一つ以上の三振を奪ったことになる。本塁打はわずか28本だけだった。

「スーパースター級選手は、なかなか指導者として成功るのは難しい」とも言われるが、宣氏は例外だった。三星(サムスン)で2004年に首席トーチとして、2005年には監督としてそれぞれ優勝を導いた。三星で7年間(2004~2014年)監督を務めた。最近、ソウル江南区(カンナムグ)の江南大路にある韓国野球委員会(KBO)本部で取材に応じた宣氏は、「監督時代の試行錯誤を省みて2年半を休みながら色々な学んでいる」と言い、特有の屈託のない笑みを浮かべた。

キム・ユギョンソウル大学教授(体育教育)は宣氏をカリスマ性と合理性を備えて、期待に応えるために努力するリーダーだと評価した。日本プロ野球で失敗と復活を経験しながら、思考の幅を広めつつ、スター選手出身として組織員と共感ししようとする努力を怠らなかったという。キム教授は、また「三星監督として韓国シリーズで優勝したもののKIAの指揮官としては成績が期待に及ばなかったが、むしろ指導者として成功する土壌になった」とし、「今後の活躍が期待されるリーダー」だと加えた。宣氏から、今の時代に求められるリーダー論を聞いた。

●信賞必罰を徹底する

「試合直後に監督室から呼び出しがあると、『ぶたれるかお金をもらうか』のどちらかだったんです」

宣氏は、リーダーの資質について質問すると、最初に今年初めに持病で亡くなった星野仙一元中日監督(楽天副会長)の話を持ち出した。星野監督は、中日、阪神、楽天で計14年間監督を務めながらリーグ優勝3回、日本シリーズ優勝1回(楽天)を達成した名将だ。

星野監督は、信賞必罰を徹底した。1996年、韓国のプロ野球選手としては初めて日本プロ野球に進出した宣氏が日本進出年に振るわないと2軍行きを指示した。「監督から『お前の肩にある太極旗を外してボール投げろ。自分の実力で一度ぶつかってみろ』と言われましたね。多様な球種を準備して力よりは制球力を磨くようアドバイスを受けたのがためになりました」。お陰で宣氏は1999年から4年間98セーブ(10勝4敗、防御率2.70)を挙げ、「名古屋の太陽」と呼ばれた。

星野監督は、球場の中ではプレーに問題があった選手は容赦なく怒鳴りつける厳しい指導者だったが、私服を着たら「兄貴」のような存在だった。宣氏は、「引退する選手に、影で仕事を斡旋してあげる温かい方だった」と振り返った。

●耳を傾ければ心が開かれる

宣氏があげたリーダーのもう一つの資質はコミュニケーション能力だった。「選手時代(1980~1990年代)の監督たちは、目をまっすぐ見ることのできない存在だった。だが、今は選手の意見を聞く耳を持つリーダーシップが必要なんです」。

そのため宣氏は最近、若い選手たちのコミュニケーションに気を使っている。練習を終えた選手たちにジョーク投げながら飛ばしながら会話をする。選手たちも躊躇うことなく、「どうすれば速いボールが投げられるのか」「制球力の磨き方を教えて欲しい」といった質問を投げかける。

宣氏は2020年の東京五輪まで采配を振る。直近では今年8月にジャカルタ・パレンバンで開催されるアジア大会の金メダルが目標だ。

●優れた参謀に任せる

韓国プロ野球で名将に挙げられる二人の人物がいる。金応用(キム・ウンリョン)大韓野球ソフトボール協会長と金寅植(キム・インシク)韓国野球委員会顧問だ。金会長は強烈なカリスマ性で選手団を掌握した。ヘッテで9度、三星で1度と10度優勝の金字塔を打ち立てた。一方で金顧問は、コーチを通じて選手たちが100%自分の実力を発揮できるようにする「分業型リーダー」だ。そうして、斗山(トゥサン)監督時代に1995年と2001年の韓国シリーズ優勝と2006年のワールドベースボールクラシック(WBC)ベスト4入り、2009年同大会準優勝を偉業を達成した。

宣氏は、金応龍氏のカリスマ性とリーダーシップに金寅植氏の参謀起用法を結び付けたいという。それに「勝った武将には良い参謀がいる」という持論を付け加えたいという。「三星監督時代に韓国シリーズで優勝できたのは、韓大化(ハン・デファ)、柳仲逸(リュ・ジュンイル)コーチなど優れたコーチがいたからです。参謀にそれぞれの役割を任せてこそ、チームも生きてくるんです」。


黃泰勳 beetlez@donga.com