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「くまのプーさん」の中国での受難史

Posted February. 28, 2018 09:10,   

Updated February. 28, 2018 09:10

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袁世凱(1859~1916)は、中国近代史の車輪を後ろに回しておいた人物。中華民国初代臨時大総統に就任した孫文から権力を引き継いだが、皇帝になろうと野心に「共和制」の約束を蹴っ飛ばした。1915年12月、自ら皇帝になったが、民心は沸き立ち、結局80日あまりで病気で生を終えた。

◆中国が、習近平国家主席の再任制限撤廃のための改憲に否定的な世論を統制するために、オンライン検閲を強化した。ソーシャルネットワークサービスでは「移民」「同意しない」のような言葉を使えば遮断される。袁世凱の名前も検閲対象になった。とあるネットユーザーは、「袁世凱を復活させようとする夢が祖国でよみがえった」と投稿した書き込みが口実となった。とにかく皇帝の野心や歴史退化という側面から、二人は似ているということを自認する格好となる。

◆改憲のとばっちりは、ディズニーのアニメキャラクター「くまのプーさん」にまで飛んだ。ウェイボなどでクマのプーさんを検索すると、「関連法と規定に基づいて検索結果を表示できない」というフレーズが現れる。2013年に習主席が訪米した時にクマのプーさんというニックネームが付けられたことで、罪のないプーが続けざまに、中国での受難を経験している。おもちゃの車に乗ったプーと習主席とを比較した写真は、2015年に最も多く検閲されたほどだ。昨年、習近平政権2期目が始まる共産党全国代表大会前も、プーの中国語での検索は不可能だった。漫画のキャラクターを利用した批判までを源泉封鎖しようとする狙いだろう。

◆それでも習近平長期政権への反発はおさまらない見通しだ。とあるネットユーザーは、「帝政を崩壊させるのに100年がかかり、改革開放をするのに40年間がかかった。また、以前に戻るわけにはいかない」と叫んだ。米国に亡命した天安門運動の指導者「王丹」は公の声明で、「習近平の皇帝野心が明らかになった」とし、これは中国人民に大きな災害をもたらすだろうと懸念した。旧韓末、この地の内政と外交を干渉していた袁世凱の横暴と傲慢な態度は悪名高かった。その亡霊が21世紀に新しい皇帝の即位として蘇ることになれば、私たちにも別の災害になるのではないか心配だ。


コ・ミソク論説委員 mskoh119@donga.com