先月20日、神奈川県横浜の大型書店。
売り場の片隅に「新しい韓国文学」という看板と共に30種類ほどの本が並んでいた。朴景利(パク・キョンリ)の『土地』からブッカー賞を受賞した韓江(ハン・ガン)の『菜食主義者』、キム・ヨンハの『殺人者の記憶法』など国内の有名作家の小説もあった。この書店の店長の桜井信夫氏は、「昨年7月に特設コーナーを作って1、2ヵ月だけ置くつもりだったが、本が売れたので延長した」と説明した。
最近、日本では韓国ドラマやK-POPに続き韓国文学が注目されている。若い作家の作品をシリーズで出す出版社が現れ、メディアでも高評価を受けて底辺を広げている。これまで日本では韓国文学は植民地や韓国戦争、民主化運動など重いテーマを主に扱うと認識され、読者層が広くなかった。「韓国文学のオウリモノ」シリーズを出している晶文社の斉藤典貴編集代表は、「韓国の若い作家はスタイルが自由でありながら、セウォル号惨事のような時代的空気を作品中に表現するのが魅力的」と分析した。
最新の韓国文学を日本に本格的に紹介し始めたのは、韓国本専門出版社クオン。2011年の『菜食主義者』を皮切りにこれまで「新しい韓国文学」シリーズ17冊を出版した。クオン代表のキム・スンボク氏は、「韓国文学は良い作品が多くても、これまで翻訳がうまくできなかった。最近、詩人の斎藤真理子さんが翻訳したパク・ミンギュの小説集『カステラ』が第1回日本翻訳大賞を受賞するなど、実力のある翻訳家が多くなった」と説明した。今年、第4回翻訳大賞の候補18編のうち韓国小説が3編も入っている。クオンで進められている翻訳コンクールには応募者が212人も集まった。平昌(ピョンチャン)冬季五輪を機に、江原道(カンウォンド)出身作家の本を読む読者会も生まれた。
先月20日の会に参加した石川圭花さんは、「韓国文学は抵抗文学という認識があったが、読んでみると違った。最近、韓江とパク・ミンギュにはまっている」と話した。小説『土地』の背景である慶尚南道河東(キョンサンナムド・ハドン)と『少年が来る』の背景になった光州(クァンジュ)を見て回るなど文学ツアーイベントも開かれる。日本経済新聞や東京新聞など日刊紙にも韓国文学特集記事が掲載されている。読売新聞は6日、「翻訳で有名な出版社が最近、韓国小説を相次いで出版している」と伝えた。日本の出版社の韓国小説の翻訳は2016年の15冊から2017年には23冊に増えた。
張源宰 peacechaos@donga.com