シリア爆撃、非核化会談を控えた金正恩氏に投じる警告だ
Posted April. 16, 2018 07:37,
Updated April. 16, 2018 07:37
シリア爆撃、非核化会談を控えた金正恩氏に投じる警告だ.
April. 16, 2018 07:37.
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米国が14日、英仏と共にシリアの化学兵器施設3拠点を攻撃した。シリア軍が反政府の拠点に化学兵器と疑われる攻撃をしたことに対し、報復の次元で化学兵器施設を目標に攻撃を行ったのだ。米国防総省は、「ミサイル105発を発射し、ターゲットの3拠点に命中した。民間人の死傷者はなかった」と明らかにした。トランプ大統領もツイッターに、「完璧に実行された攻撃だった」とし、「作戦完遂!」を宣言した。今回の爆撃は、シリアの反人類的戦争犯罪、すなわち化学兵器の攻撃に対抗して化学兵器施設を爆撃する制限的な軍事作戦だった。シリアのアサド政権には厳重に警告しながらも、戦争拡大といった事態は阻止するための節制された軍事力の使用だった。今回の攻撃でシリアを支援するロシアとの葛藤はより激しくなる見通しだが、米国はシリア内戦に巻き込まれて戦争が拡大することは決して望まないという点も明確にした。シリア爆撃は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長への警告メッセージでもある。これまでトランプ政権が北朝鮮への圧力と対話の間で一進一退を演出しながらも終始一貫して維持した内容は、「北朝鮮への軍事的選択肢を排除しない」ということだった。シリア爆撃は、昨年ホワイトハウスで北朝鮮への軍事的選択肢の一つに議論された「鼻血(bloody nose)作戦」の事例になるだろう。対話局面に入った今でも、米国の北朝鮮への圧力原則は依然有効であり、対話による解決が失敗した時、北朝鮮が直面する未来でもある。むろん、北朝鮮を8年間内戦が続く国際戦の様相となったシリアと直接比較することには無理がある。北朝鮮は、事実上、人質とも言える韓国に全面的な報復を加える可能性が高いため、米国としてはたとえ制限的であっても軍事的選択肢そのものを決定することは容易でないのが事実だ。しかし、北朝鮮が継続して無謀な核・ミサイル挑発で米国を試そうとするなら、米国は恐るべき破壊力で報復に出るほかないという点を今回の爆撃で北朝鮮にも明確に示した。一方で、シリア爆撃で、正恩氏が核兵器にしがみついてこそ攻撃を受けないという誤った判断をする可能性も排除できない。正恩氏が非核化の考えを明らかにして対話に乗り出したといっても、いつでも心が変わる可能性がある。しかし、核を抱きしめたまま米国と軍事的に対立しては、正恩氏は決して生存を続けることはできない。南北、米朝首脳会談を通じた完全な非核化は、事実上、唯一の残された脱出口ということを正恩氏は忘れてはならない。
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米国が14日、英仏と共にシリアの化学兵器施設3拠点を攻撃した。シリア軍が反政府の拠点に化学兵器と疑われる攻撃をしたことに対し、報復の次元で化学兵器施設を目標に攻撃を行ったのだ。米国防総省は、「ミサイル105発を発射し、ターゲットの3拠点に命中した。民間人の死傷者はなかった」と明らかにした。トランプ大統領もツイッターに、「完璧に実行された攻撃だった」とし、「作戦完遂!」を宣言した。
今回の爆撃は、シリアの反人類的戦争犯罪、すなわち化学兵器の攻撃に対抗して化学兵器施設を爆撃する制限的な軍事作戦だった。シリアのアサド政権には厳重に警告しながらも、戦争拡大といった事態は阻止するための節制された軍事力の使用だった。今回の攻撃でシリアを支援するロシアとの葛藤はより激しくなる見通しだが、米国はシリア内戦に巻き込まれて戦争が拡大することは決して望まないという点も明確にした。
シリア爆撃は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長への警告メッセージでもある。これまでトランプ政権が北朝鮮への圧力と対話の間で一進一退を演出しながらも終始一貫して維持した内容は、「北朝鮮への軍事的選択肢を排除しない」ということだった。シリア爆撃は、昨年ホワイトハウスで北朝鮮への軍事的選択肢の一つに議論された「鼻血(bloody nose)作戦」の事例になるだろう。対話局面に入った今でも、米国の北朝鮮への圧力原則は依然有効であり、対話による解決が失敗した時、北朝鮮が直面する未来でもある。
むろん、北朝鮮を8年間内戦が続く国際戦の様相となったシリアと直接比較することには無理がある。北朝鮮は、事実上、人質とも言える韓国に全面的な報復を加える可能性が高いため、米国としてはたとえ制限的であっても軍事的選択肢そのものを決定することは容易でないのが事実だ。しかし、北朝鮮が継続して無謀な核・ミサイル挑発で米国を試そうとするなら、米国は恐るべき破壊力で報復に出るほかないという点を今回の爆撃で北朝鮮にも明確に示した。
一方で、シリア爆撃で、正恩氏が核兵器にしがみついてこそ攻撃を受けないという誤った判断をする可能性も排除できない。正恩氏が非核化の考えを明らかにして対話に乗り出したといっても、いつでも心が変わる可能性がある。しかし、核を抱きしめたまま米国と軍事的に対立しては、正恩氏は決して生存を続けることはできない。南北、米朝首脳会談を通じた完全な非核化は、事実上、唯一の残された脱出口ということを正恩氏は忘れてはならない。
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