「（金正恩）委員長様」、「（文在寅）大統領様」両首脳の尊称

「（金正恩）委員長様」、「（文在寅）大統領様」

２７日、初対面で親密さを誇示した南北首脳の破格の意思疎通は、互いへの呼称でも表れた。

文在寅（ムン・ジェイン）大統領は、軍事境界線（ＭＤＬ）で金正恩（キム・ジョンウン）朝鮮労働党委員長との初対面で、「ここまで来たのは委員長様の大変大きな勇断」と言って明るく笑った。３０歳以上年下とされる「息子ほど」の金正恩氏に礼儀正しく「様」と尊称をつけた。金正恩氏も、午前の会談の冒頭発言で、「今日、文在寅大統領様と良い話をする」とし「大統領様」と呼んだ。「大統領が招請すればいつでも大統領府に行く」と述べるなど、「大統領が」と奉った。

北朝鮮の最高指導者が韓国首脳に対して「大統領様」と呼んだのは初めて。２０００年と２００７年の南北首脳会談で、金正日（キム・ジョンイル）総書記は、金大中（キム・デジュン）、盧武鉉（ノ・ムヒョン）大統領に会って、「大統領」と公式名称で呼んだ。政府はこれに先立ち、金正恩氏の夫人、李雪主（リ・ソルジュ）を「女史」と呼ぶことにしたと明らかにした。

南北首脳が互いに尊称を使うことで相互信頼を表わしたと読める。また、同日の会談の議題が事前にある程度調整されているので、両首脳が初対面から互いへの親しみと好感を積極的に示したという見方もある。ある政府筋は、「概ね金正恩氏が文大統領に礼儀正しかった」とし、「正常な国家の指導者として柔軟な態度を意図的に露出させようとする金正恩氏の戦略と見えるが、単に両首脳の物理的な年齢が自然に反映された場面でもある」と指摘した。


申晋宇 niceshin@donga.com