北朝鮮と米国が来たる首脳会談で、北朝鮮の核施設と既存の核兵器の廃棄に対する検証を強化するという原則を確認し、具体的な核査察方式を調整しているという。これと関連して北朝鮮は、米国に国際原子力機関(IAEA)の特別査察も受け入れる考えを明らかにしたという。
3日、情報当局によると、米朝は、先月27日の南北首脳会談後、非公式接触を通じて非核化の検証方式について集中調整に入った。先月初め、トランプ米大統領の特使として極秘に訪朝したポンペオ国務長官が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会って、北朝鮮内の核施設や兵器などに対する検証が強化される必要があるということで原則的に合意し、米朝当局が最近、これを具体化する作業に入ったということだ。
米朝間の非公開の実務接触で、北朝鮮は今後2年半の間、主要な核施設と核兵器の廃棄を完了し、これに対する集中検証を進めるというロードマップに意見の相違はなかったという。米国が核廃棄と検証完了期間として提示した「2020年末」を北朝鮮がある程度受け入れたという話だ。
また、北朝鮮内に散在した地下核施設が最大で約1万個にのぼるとされる中、北朝鮮は国際社会に核物質と核兵器を透明に公開する考えを明らかにしたという。情報当局者は、「北朝鮮が『特別査察』まで受け入れることを暫定合意したと理解する」と伝えた。特別査察は、事前に報告されていない施設でも核活動が疑われる施設があると判断される場合、IAEAの査察を可能にする。北朝鮮は1992年、IAEAの特別査察要求を拒否し、核不拡散条約(NPT)を脱退するなど特別査察に拒否反応を見せた。
朝日新聞も同日、「北朝鮮は核兵器の査察に初めて応じ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の廃棄も行う意向」と報じた。同紙は、消息筋を引用して、「米中央情報局(CIA)当局者と米核専門家計3人が、4月下旬から1週間余り訪朝」したとし、北朝鮮が「核兵器の査察に応じる構えをみせた」と説明した。
一方、ポンペオ氏は2日(現地時間)、就任式で、北朝鮮核問題の解決策としてこれまで強調してきた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」に代わって「永久的かつ検証可能で不可逆的な核廃棄(PVID=Permanent,Verifiable,Irreversible Dismantling)」を提示した。「完全な」を「永久的な」に、「非核化」を「核廃棄」に変え、核・ミサイル開発能力を不能化することに焦点を置いたのだ。ポンペオ氏は同日、PVIDの対象を北朝鮮の大量破壊兵器(WMD)計画と規定し、「直ちに(推進)する」と明らかにした。
申晋宇 niceshin@donga.com · 韓基渽 record@donga.com