「境界を崩す公共プロジェクトの夢が今始まります」
5日(現地時間)開幕したベルギー・ブルージュ・トリエンナーレにアジアで唯一招待された韓国の若い建築家チーム「OBBA」のイ・ソジョン(39・女)とクァ・クサンジュン代表(38)は、「大きなイベントに招待されたことも幸せだが、市民の反応が予想外に大きくて胸がいっぱいだ」と話した。
「北欧のベニス」と呼ばれるブルージュは、都市の真ん中を流れる美しい運河で有名な都市で、3年ごとに世界的規模の芸術祭「ブルージュ建築トリエンナーレ」を開催する。今年は「Liquid City(水が流れる都市)」をテーマに、9月16日まで4ヶ月間行われるが、米国、スペイン、ドイツ、ポーランドなど9カ国から15チームが招待された。
OBBAは、ブルージュ市内の北部運河に人工構造物「ザ・フローティングアイランド(浮島)」を設置した。観覧客を運河の水面と同じ高さに導くことで、自然と一体となって水面上を歩くような感じにさせる。ロープでブランコを楽しむことも、ハンモックに横になることもできるし、休憩と遊び、散歩をすべて体験できる体験型構造物である。今回の作品のサブタイトルは、「Beyond boundaries(境界を越えて)」に決めた。
9日、ブリュッセルの韓国文化院で会ったイ代表は、「かつて貿易手段として使われた運河に曲線の人工構造物を立てることで、市民との境界を取り除き、彼らを楽しませたい」とし、「物理的境界を越えて、人々の関係の中で新たな境界を作る試みだ」と語った。OBBAはブルージュで有名人となった。イ代表は、「生徒たちはお昼ごとに、ここに来ては遊び、『家の前に庭ができたような気がしてありがたい』として一緒に写真を撮りたいという住民も多い」と話した。今回のイベントのキュレーターであるティルホルグ・ボールヘルトは、「フローティングアイランドは、単なる建築物を越えて、都市計画が地域社会とどのように調和できるかについての分析が含まれた試みだ」と高く評価した。
2014年に文化体育観光部が選んだ若い建築家賞を受賞したOBBAは、創意的公共プロジェクトを継続する計画である。クァク代表は、「滑り台やシーソーのある定型化された遊び場ではなく、子供たちの創意性を育てられる新しい性格の遊び場を作ってみたい」と話した。
一方、9日、ベルギーの首都ブリュッセルとソウルでは、韓国と欧州連合(EU)国交正常化55周年の記念行事が同時に行われた。韓国時間で午後7時、ソウルのとあるホテルで、オーストリアのウィーン交響楽の首席フルーティストであるジャスミン・チェが愛国歌を演奏すると、現地時間で正午で、ブリュッセルの王立ボザールアートセンターにいた70人余りの観客は皆席から立ち上がった。愛国歌の演奏がインターネットを通じて生中継されたからである。ソウルとブリュッセルの間の7時間という時差と9000キロという空間距離を超えた新たな試みだった。
ミハエル・ライテラー 駐韓EU大使は、「EU加盟国の高校生たちが希望と未来の意味を込めて、韓-EU国交正常化55周年のロゴを作った」とし、「韓半島の平和を祈る」と祝辞をした。金炯辰(キム・ヒョンジン)駐EU韓国大使は、「ブリュッセルとソウルをインターネットで繋げて交流した今日のイベントは、緊密な協力のもう一つのお手本だ」と答えた。
董正民 ditto@donga.com