「申台龍(シン・テヨン)号」が2度目の海外開催のワールドカップ・ベスト16入りに向けて錨を揚げる。
サッカー韓国代表の申台龍監督(48)は14日午前10時、ソウル市庁で開幕まで約1ヵ月と迫ったロシアW杯の代表メンバーを発表し、W杯本大会に向けて本格始動する。これまで申監督は、弱体と評価された韓国代表チームの戦力を最大限に強化できる選手選出を検討してきた。申監督は、「一部のファンは『あの選手はうまいのになぜ選ばないのか』『監督が学閥や義理人情で選手を選んでいるのではないか』と言っているが、私の頭の中にそういうことは1%もない。ひたすら本大会で対戦するスウェーデン、メキシコ、ドイツの世界レベルの選手たちに勝てる競争力のある選手なのかだけを考慮している」と話した。選手選出を終えた後、代表チームは韓国で招集合宿を行い、続いて欧州に合宿キャンプを設置して最終調整を行う予定だ。
●悩ましい守備陣、負傷選手たちの運命は?
代表メンバーは、負傷から回復しているDFらを抜擢するかどうかが焦点となる。サイドDFのキム・ジンス(全北)は北アイルランドとの強化試合(3月24日)で左膝じん帯を負傷し、中央DFキム・ミンジェ(全北)は今月2日のKリーグ1・大邱(テグ)戦で右足の脛骨にひびが入るケガをした。全北の関係者は13日、「キム・ミンジェは近くギブスを外す予定だ。痛みがだいぶ治まり来週中に治療を行う予定だ。キム・ジンスはジョギングを始めた」と伝えた。
申監督が代表チーム守備の要として活躍してきた両選手を抜擢する場合、14日に発表されるメンバーは23人(W杯最終登録メンバー)+α(負傷選手)になる可能性もある。21日から始まる国内での招集練習で負傷選手の回復経過を見守った上で、国際サッカー連盟(FIFA)の最終メンバー提出期限である来月4日までにW杯に同行するかどうかを決めることになる。
しかし、守備の組織力強化に向けて早急にメンバーを確定しようとする場合、代替要員が抜擢される可能性もある。中央DFにはユン・ヨンソン(城南)、チョン・スンヒョン(サガン鳥栖)らが取り沙汰されている。ハン・ジュンヒKBS解説委員は、「ユン・ヨンソンは空中戦に強い。チョン・スンヒョンは足の技術と攻撃を組み立てる能力が優れている」と評価した。サイドDFにはキム・ミンウとホン・チョル(以上尚武)が注目を集めている。キム・デギルKBSN解説委員は、「ホン・チョルとキム・ミンウはスピードが良く、攻撃に絡む能力に長けている」と話した。折りよくホン・チョルとキム・ミンウは13日、Kリーグ1の仁川(インチョン)戦で積極的に攻撃に絡み、それぞれシーズン初得点を挙げた。コーナーキックでホン・チョルが左足でスピンをかけて蹴ったボールが敵のネットに吸い込まれた。
攻撃陣ではエース、孫興民(ソン・フンミン=トッテナム・ホットスパー)はじめ権昶勲(クォン・チャンフン=ディジョンFCO)とファン・ヒチャン(チャルツブルク)ら欧州組の抜擢が確実視されている。彼らは2016年リオデジャネイロ五輪のときも申監督のもとで同じ釜の飯を食べた。権昶勲は13日、フランスリーグのリールOSC戦で今季11点目を決めた。ファン・ヒチャンは今季13ゴールを記録し好調の得点感覚を示している。
●オーストリアは「機会の地」になるか
代表チームはW杯本大会のグループリーグ初戦となるスウェーデン戦(6月18日)を控えて4度の親善試合を行う。代表チームは28日、大邱でメキシコを想定したホンジュラスと対戦し、来月1日には全州(チョンジュ)でスウェーデンを見立てたボスニア・ヘツツェゴビナと国内では最後となる親善試合を行う。申監督は、「欧州と北中米のチームを相手にすることで、本大会で対戦する多様なスタイルのサッカーを事前に経験することができる」と話した。
代表チームは来月3日、キャンプ地のオーストリアのレオガンへ出国する。レオガンは6月の平均気温が摂氏17度だ。本大会が開かれるロシアの各都市(18~21度)と似たような気候であるため、ロシア適応に役立つと見られる。代表チームの関係者は、「韓国が初の海外開催のW杯でベスト16入りを達成した南アフリカW杯の時もオーストリアで海外合宿を行った。オーストリアは欧州の名門クラブがオフシーズンにキャンプを実施する場所で、練習環境が優れている。W敗開催国のロシアもオーストリアで練習を行う予定だと聞いている」と明らかにした。オーストリア代表はボリビア(来月7日)とセネガル(来月11日)との親善試合を行った後、来月12日に本大会中のベースキャンプ地であるサンクトペテルブルク入りする。
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