「皆さんボイル」、最近10~20代の間でこの言葉を知らなければ、スパイと呼ばれる。小学生たちは先生に対して、「こんにちは」の代わりに「ボイル(ボギョム+ハイル)」を叫ぶほどだ。23日基準で、ユーチューブ視聴者が221万人を超えたクリエイター「ボギョム」は、テレビよりスマートフォンが身近な若い世代に、どんな有名人にも劣らないほどの影響を及ぼしている。若者たちが信じられないことを経験したり、驚いたりしたときに使う「これ実話(本当の話)か?」も、ボギョムが拡大させた流行語だ。
◆「インフルエンサー(Influencer)」が突如として注目を集めている。「影響」という意味の英語単語「インフルエンス(influence)」と「人」を意味する接尾辞「『(e)r』が結合した新造語で、ソーシャルネットワークサービス(SNS)では、「大衆に影響力を及ぼす人」を意味する。鄭溶鎭(チョン・ヨンジン)新世界(シンセゲ)副会長や小説家李外秀(イ・ウェス)などの有名人、オピニオンリーダーが第1世代のインフルエンサーだったとすると、ボギョム、大図書館、ドティなどの最近のインフルエンサーは、フェイスブック、ユーチューブ、アフリカテレビなどを通じ、文章ではなく、動画を媒介として大衆の中で育った。
◆企業各社がインフルエンサーの獲得に乗り出している。企業が、パワーブロガーからインフルエンサーに方向を変えたのは、彼らのフォロワーがより若く流行に敏感だからだ。ポニー、李思杯(イ・サベ)などの有名ビューティーインフルエンサーは、1本の動画で多いときには数千万ウォンを稼ぐという。とある化粧品ショッピングモールが李思杯のお勧め製品で構成した「李思杯ボックス(2万9900ウォン)」は、発売から5分間で1億ウォン以上を売上げた。
◆IT技術の発展によって新しい転機を迎えたインフルエンサーは、大衆性と多様性という時代のニーズを満たして、事実上「1人メディア」となった。学歴や経済力と無関係なインフルエンサーの成功は、若者たちには新しい希望でもある。しかし、一部のインフルエンサーは、悪口と公開批判をまるでトレンドでもあるかのようにミスリードしながら、社会的価値を否定する。仮想空間で爆発的に増えている1人メディアを一つ一つ規制することはできないが、主視聴者である青少年たちに及ぼす影響についても、考えるべき時期に来ている。