若い頃、ポップソングに浸っていた7080世代。洋酒や洋モクを取り締まっていた時代、「国産品愛用」の詰め込み教育も大衆音楽には通じなかった。流行に敏感な青春男女は、そのほとんどが歌謡よりはビルボードチャートのポップソングに共感していた「ビルボードキッズ」だった。
◆今は変わっている。韓国国内はもとより、海外の若者たちもK-POPに熱狂する。K-POPの躍進を示す象徴的出来事が起きた。28日、韓国歌手としては初めて、防弾少年団(BTS)が発表した3回目のレギュラーアルバム(LOVE YOURSELF轉Tear)が、ビルボードアルバムチャート「ビルボード200」で首位についたのだ。7人の「少年たち」が韓国語の歌で、ポップ音楽の本場で手にしたとんでもない成功である。外国語のアルバムで頂上に上がったのは、多国籍ポップオペラチーム「イル・ディーヴォ」以後12年ぶりのことであり、米本土の外に根ざした「ワールドミュージック」ジャンルのアルバムでは、事実上初めてである。米誌ローリング・ストーンは、「正式に米市場を征服した」と紹介した。
◆ビルボードチャートは、世界の大衆音楽の流れを反映する鏡である。マイケル・ジャクソンなどの有名歌手が他界したときは、もれなくビルボードチャートの記録が言及される。アルバムとシングルチャート史上首位の記録はビートルズが持っている。シングルチャートでは2012年、サイの「江南(カンナム)スタイル」が7週間2位についた。アルバムチャートの場合、昨年、BTSの2回目のアルバムが7位についたが、その記録を破った。ビルボードは「今週は防弾少年団だけでなく、Kポップ全体において素晴らしい週だ」と評した。
◆以前もビルボードシングル、アルバムチャートを行き来したBTSは、一曲だけがつかの間成功した一発屋から抜け出した。3回目のアルバム「フェイクラブ」のプロモーションビデオは、公開から9日間でクリック件数が1億件を超え、「2018ビルボード・ミュージック・アワード」では2年連続で「トップソーシャルアーティスト」賞を受賞した。韓国型ボーイズバンドの痛快爽快愉快な国威発揚は、7080世代にとっても喜ばしいことだ。ラジオで耳にタコができるほど聞いたビルボードチャートに、私たちの歌が首位となったという事実に胸がいっぱいで誇りに思う。「世界で最も影響力のある歌手になりたい」というBTSの抱負、その夢がかなう日がさらに一歩近づいた。